0

見習い魔法使いは人間界で修行中 完結

ポイント
35
オススメ度
9
感情ボタン
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0

合計:0

現代日本に修行のためやってきた見習い魔法使いのメルル。
人に感謝されることに魔法を使いたいと思っているメルルだが、
まだ魔法の扱いが未熟なだけにいつも空回り。

投稿された表紙はありません

この物語の表紙を投稿する

すべてのコメントを非表示

「熱いですね-、琴葉さん……」

「そうだね、メルル……」

 見習い魔法使いのメルルと、メルルが人間界で居候させてもらっている家の一人娘である琴葉は、熱すぎる外の気温にやられて、部屋で干からびていた。エアコンが壊れているため扇風機を使うしかないが、使っても熱い空気が部屋の中を循環するだけだった。

「メルル、どうにかできないの? こう、魔法とかで氷出したり……」

「私、氷属性の魔法使えないんです……。っていうか、見習いですからそれ以外のもまともに使えないんですけどね……」

「そうだよね……。メルルがまともに魔法使ってるの見たことないし……」

「うっ……。すみません琴葉さん。修行中なので……」

 お互いに床に寝たまま顔を合わせずに会話をしている。起き上がるのもおっくうな感じだ。

 人間界に魔法使いの修行をしに来ているメルル。レベルで言ったら3~4くらいだろうか。これがレベル80以上の魔法使いなら、広範囲を涼しくするための魔法を使えるのかもしれない。低レベルのメルルにはまだまだ無理な話だった。しかし、メルルがあることを思いつく。

「そうだ、広い範囲は無理でも、この家だけに雨を降らせるだけの雲なら生み出すことが出来るかもしれません。ここだけ雨降らせるだけでも、気温を下げる効果あるかもですよ」

「そんなこと出来るの? 出来るならしてほしいけど、メルルだし……」

「失礼ですね! 小さい雨雲ならいけると思います。見ててください」

 琴葉に出来るのかを疑われて、少しムッとするメルル。立ち上がって部屋の真ん中に移動すると、両手を天井に掲げて詠唱し始めた。琴葉は相変わらず寝っ転がったままそれを見ている。

「雨雲よ、この家の上空に現れ、雨を降らせよ!」

 メルルがそう言うと、空が青く晴れていることに変わりはないが、なぜか部屋の中が少しだけ暗くなった。

「おっ、暗くなったってことは、雨雲を呼べたのかな? 家の周りは晴れてるのに」

「この家の上にだけ雨雲を出現させることが出来た証拠ですよ! どうですか、私の実力は!」

 雨雲を出現させることが出来て、メルルは琴葉にドヤ顔を決めている。そして暗くなっただけではなく、あめが降る音も聞こえだした。しかし……。

「ほら、あめも降ってきましたよ」

「いや、これあめの音? なんかカツンって硬いのが当たってるみたいな音だけど……」

 音に疑問を感じて、琴葉は本当にあめが降っているのかを確かめるために部屋の窓から外を見た。本当にあめは降っている。しかしそれは水の雨ではなく、お菓子の方の飴だった。色んな味の飴玉が雲から降ってきて地面に積もるせいで、庭先がカラフルになっている。

「ちょ、ちょっとメルル! 飴玉降らせちゃダメでしょ!」

「あっ! す、すいません!」

「早く止めて! 家に穴開いちゃうかもしれないから!」

「は、はい、ただいま……あ、あれ? この魔法どうやって止めたらいいんですか……?」

「私に聞かないでよ!」

 泣きそうになりながら飴玉が降るのを止めようとするメルルだが、結局手段が見つからず、自然にやむまで待つことになってしまった。飴玉がやんだあと、庭先には大量の飴玉が。

「メルル……。一応聞くけど、この飴玉、魔法で消したりは……」

「私には出来ません……」

「だよね……」

 真夏の熱い日に、雪かきならぬ飴玉かきをすることになってしまった。飴玉かきの最中、メルルはずっとすみませんと謝り続け、琴葉がそれをずっと慰めていた。飴玉かきが終わっても、庭先からは甘い匂いがしばらく残ったという。メルルはまだまだ見習い魔法使い。

  • 0拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

1

文鎮さんの物語が好きです。
勝手にイメージでメルルと琴葉さんを表紙に描いてもよろしいですか?

しー

2018/9/5

2

しー様 コメントをしてくださりありがとうございます。
表紙を描いてくださるなんて大変ありがたいです!是非お願いします!

作者:文鎮

2018/9/5

コメントを書く

とじる

オススメポイント 9

つづけて SNS でシェアしてオススメシポイントをゲットしましょう。

とじる

このページの内容について報告する

送信中

送信しました

文字数の上限を超えています。