2

イロトリドリ・ラッパーズ 完結

ポイント
138
オススメ度
11
感情ボタン
  • 39
  • 2
  • 1
  • 0
  • 1

合計:43

アイドル・グループ『イロトリドリ・ラッパーズ』のステージは、
喋った言葉が幻となり出現するマイクのおかげで、
ステージ上で華やかな演出が出せる。

ラップと、華やかな幻がメインの小説です。
基本的に、目次には、曲名が書かれていますので、
気になったタイトルがあれば、読んで頂けると、幸いです。

1位の表紙

目次

すべてのコメントを非表示

序章

 音楽の本質はそこまで変わらないが、ステージ上は確かに華やかになった。

 アイドル・グループ『イロトリドリ・ラッパーズ』のステージは、特に華々しいことで有名で、このイロトリドリ・ラッパーズのリーダーを担当している僕、赤眼(あかめ)にとって、そう周りから言われることは本当に有り難いことだ。

 その華々しいステージの一番の要因、それは”喋った言葉が幻となり出現するマイク”の存在だと思う。

 紡いだ言葉がその場に幻として出現し、ステージ上を盛り上げる。

 たとえば『暗い闇を照らす流星 それは気高く何も染められていない中性』と韻を踏むと、ラップしている人間の頭上が少し暗くなり、そこに流星が流れる、といった感じだ。

 リアルタイムで次々と出現する幻と、僕たちのラップで、人々の目と耳を魅了していく。

 ……なんて、今日くらいは偉そうに本人が「魅了していく」なんて心の中で言ってもいいだろう。なんせ今日は集大成的な位置付けの大きなステージの日だから。

 自分の中で気持ちを作っていかないと。他のメンバーも自分の好きな曲を聴いたり、好きなアニメを見たりして、集中している。

 さぁ、そろそろ僕ら、イロトリドリ・ラッパーズのステージがスタートする。

  • 3拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

コメントはありません

コメントを書く

とじる

1曲目:紹介の曲「四季のマイクリレー」

 僕、赤眼は秋担当……というように、イロトリドリ・ラッパーズは季節で担当を分けている4人組のアイドル・グループだ。

 春担当の緑関(りょくせき)に、夏担当は青熱(あおねつ)で、僕が秋、そして冬担当が白咲(はくさき)だ。

 緑関はメガネをかけたクールな感じで、物静か、青熱は情熱的な自信家、体育会系の人間で堂々としていてワイルドな感じ、僕はまあ普通な感じなんだけども、白咲は僕らのグループで唯一の女性で、ファッションモデルとしても活躍していて、エネルギーに満ちているような男勝りの美女だ。

 こんなバラバラな見た目な僕たちだけども、相性はとてもいいように思える。

 それぞれがそれぞれを尊重し合える、仲の良いグループだと思う。

 ……きっと、キャラが一切被っていないからだろう。

 さて、一曲目は四季のマイクリレー。

 マイクリレーというのは、順番にラップをしていく形式のこと。

 まず自分たちの紹介がてら、どんなステージでもこの曲が一番最初に歌われる。

『四季のマイクリレー』

≪小節構成:イントロ4-8-8-8-8-4-4-4-4-アウトロ8≫

<緑関>

芽吹き始めた春のはじまり 葉が出て、花も咲いたり

徐々に体が温まる つくし達も頭出す

さぁ、ステージもはじまり 今日という日を書き出し

今日は素敵な日記になりますように 幸せ、増すように

<青熱>

調子超良い、驚異のステージ 興味引くぜ、しっかり用意

してきた言動、ここは戦場 ばりに現状打破し、天井破壊し

墓石なんてまだ無い必要 気付こう、俺らが最高だってこと

寝言じゃねぇ、する真実 伝説起こす like a 神龍

<赤眼>

新風巻き起こす、色を変え 喜んでほしい、人のため

自由に着色、染め上げる どんな高い壁も越えられる

情熱の炎は消えない 言えないなんてない世界

自由に発想楽しもう 希望に満ちていこう

<白咲>

飛翔する展開、自由な思想 稀少だとあえて言い張る

白紙からのどんでん返し 影にならない、常に表

音で楽しー、目でも楽しー 囲いーの外がカッコイイ

カッコで閉じず、動き続ける 震えず、遊ぼうぜ! ベイベー!

<緑関>

宣戦布告する、戦うこと 止まらない抗う鼓動

バカな教えに逆らう怒涛 常に上へ羽ばたく音

<青熱>

アウトもセーフも全部俺のモン! 何でもやる! 問答無用!

不良も優等生も来い全員! 全身で前進、最前線!

<赤眼>

既にステージ、開戦で 激しさまるで、雷電系

稲光よりも速く光る 次、次と、また繰り出す

<白咲>

踏み出す新雪、武器は韻です 金(きん)得るスタイルで

暗い船には乗せないぜ 明るく世界を越えたいね

 緑関の新緑から始まり、花が咲き、青熱の夏がやって来る。

 時にド派手な神龍が出現し、それが風に乗って消え、僕の新風が巻き起こる。

 ステージ上が紅葉したかのように色が変化していき、赤がやがて光の赤となる。

 白咲の時には、雪に光が反射しているような銀世界となる。

 そこからトラックの打つドラムの数が増えて、リズムが速くなる。

 緑関の鼓動、怒涛、音、でドラムのパワーは最高潮に。

 青熱の声量満点の大声で地響きが鳴るほどに。

 僕の詞で、初秋の稲穂に降り注ぐ雷のような幻が出現し、ステージ上が輝く。

 そしてその光がまた新雪の白となり、白咲のラップで新雪に足跡がつき、銀世界は最後、金世界となり、会場を明るく照らした。

  • 3拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

コメントはありません

コメントを書く

とじる

2曲目:テンション上げる「ブチ上げる」

 2曲目もステージの2曲目として定番の、青熱と白咲の、会場のボルテージを上げる曲『ブチ上げる』だ。

 両者ともに韻が多めのスタイルで、メッセージ性よりも語感を重要視した……なんて言い方を本人にしたら怒られるだろうけども、僕は心の中ではそう思っている。あくまで、心の中では。

 ラップをしていないメンバーは休憩することもあるが、この曲の場合、僕と緑関はサイドでダンスをする。

 むしろラップするよりも疲れるので、この曲は大変なのだ。

 長いイントロからダンスで盛り上げて。

『ブチ上げる』 

≪小節構成:イントロ16-8-8-8-4-4-4-4-2-2-8-アウトロ1≫

<青熱>

熱かろうがブチ上げる 避けることなく、真正面

応援、上げる声ー 常に輝いている光景

あえて強制だ、総勢 「騒げ!」

慌てろ焦ろ汗をかけ 一心不乱で言葉を喰らえ

<白咲>

寒かろうがブチ上げる 負ける、より、当然勝てる

時に冷静、軽く牽制 選定し、見極めたのならば

あとはガンガン、弾丸 散弾銃、どんどん参加ぁするー

悪いが人間に冬眠はねぇぜ 跳ねていこうぜ、いつだって

<フック>

気温なんて関係無い 停滞も手痛いも存在しない

期待、未来、行きたい 意味無いの向こう側へ

気温なんて関係無い 停滞も手痛いも存在しない

見たい、未来、行きたい 言いたい、楽しさを全部

<青熱>

なりすますカリスマに 無い不快、爽快に紹介

全公開、スタイル荒波 こんな日々が宝に

<白咲>

頭に浮かぶ輝く言葉 音が跳ねて、気持ちを溜めて

一気に解き放つ 全世界に渡る

<青熱>

上がるぜ、今日という日も 人と人が繋がる場所

過去も未来も騒いでいく 何テイクでも繰り返せ

<白咲>

嫌なこと一回全て無に帰せ そこから騒ぐに全てを賭けて

いつだって遊べる、鳴るベル 煩悩まみれで鐘鳴らす

<青熱>

行動、GoGo、堂々、向上 上昇、頂上、つまり王道

<白咲>

相当、衝動、上等、向上 上昇、頂上、つまり王道

<フック>

気温なんて関係無い 停滞も手痛いも存在しない

期待、未来、行きたい 意味無いの向こう側へ

気温なんて関係無い 停滞も手痛いも存在しない

見たい、未来、行きたい 言いたい、楽しさを全部

 会場が暗くなり、僕と緑関にだけスポットライトが差し、イントロ16小節のダンス。アップテンポのBPMに乗せられて激しく踊る。

 青熱のラップスタートでステージ上が一気に明るくなる。熱かろうが、で、太陽の幻が出現だ。ステージから見るフェスの光景のように、手を振る幻が出現し、そのリズムに合わせて会場全体が盛り上がる。実際は幻なわけで、会場の室温が高くなっているわけではないのだが、どんどん会場が体感的にも熱くなってくる。

 白咲のヴァースで、白銀の幻が出現するが、もう高くなった熱量が下がることは無い。さらには散弾銃で、新雪に散弾銃が飛び散ったように人間の足跡が出現していく。どんどん人が雪の上を走っているような幻。最後はその雪の上で大勢の人が跳ねて、フックへ飛んでいった。

 フックは抽象的な光の渦、熱い光の色も、冷たい光の色も、いろんな光の色が合わさって、大きな白い光となっている。さながらビッグバンが起きる直前のような幻だ。

 青熱のヴァースで光から一転、定番の夏の浜辺、この荒波の幻を初めて見た人はきっと、その迫ってくる感じに驚くだろう。

 荒波の水しぶきが太陽光に反射して光り、そのしぶきが音符のように上空を跳ねる、白咲の、音が跳ねて、の時の幻だ。

 そして跳ねていた光の音符が一気に急上昇、何度も何度も、何テイクも光の音符が上昇していく青熱のヴァース。

 そして白咲のヴァースで、上昇し、上に溜まっていた光の音符が破裂し、ステージ上が光に包まれて、一気に真っ白になる。そこからトラックにジングルベルの音色が一瞬混ざり、最後は大晦日の鐘の音色。

 ゴォォオオンという鐘の音色だけになったトラック、そのトラックに韻でビートを刻むようにラップする青熱と白咲、そこから一気にフックの派手なトラックに戻ってフィニッシュ。

 ……正直、ダンスをしている僕と緑関には、よっぽど熱心なファン以外は見ていないだろう。それでも、この曲でステージが一気に盛り上がれば、それほど嬉しいことは無い。

 で、今日の盛り上がりは……なかなかいい感じ、といったところかな。

 緑関は「私たちは非効率な存在ですね」と呟いた。

 僕はそれに小さく頷いた。

  • 4拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

1

【モノコン2018物語部門 予選通過のお知らせ】リリックが幻となり、可視化する!――特殊なマイクを使い、ステージを華々しく飾る、未来のラップアイドルグループ。色彩豊かな季節で担当を分けていたりと細部へのこだわりも感じられました。作中のリリックも脚韻と頭韻を使い分けていたりと工夫も見られます。五感を刺激するような、幻の丹念な描写は迫力満点。

2

予選通過おめでとうございます!!!!!!

湊あむーる

2018/8/8

3

>モノコン2018予選選考スタッフ様
 コメント有難うございます!
 本当にすごく嬉しいです! まさか通過だなんて!
 描写には強い苦手意識があるので、そう言って頂けると励みになります!

>湊あむーる様
 コメント有難うございます!
 いつも読んで頂き、誠に有難うございますっ!
 わざわざコメントして頂き、とても嬉しいですっ。

作者:空也卜全

2018/8/8

コメントを書く

とじる

3曲目:ゆっくり応援「進歩」

 3曲目も3曲目の定番で、曲のテンポ、そしてステージのテンポを少し下げる、僕と緑関の曲。

 このままフルスロットルで走り続けては途中で疲れてしまうので、テンポを下げる。

 曲名は『進歩』で、頑張る人をゆっくり着実に応援するという曲だ。

 基本的に僕と緑関が静、青熱と白咲が動、というような組み合わせ。

 しかし時に白咲はしっとりと歌い上げ、ボーカリストの一面もあったりするけども。

 今回の曲は僕と緑関、ダンスの疲れを持ち越さないように、心と声を落ち着かせる。

 ちなみに本来、この曲のイントロは8小節なのだが、ステージ用に16小節になっている。

『進歩』

≪小節構成:イントロ16-16(4+12)-8-16(4+12)-8≫

<緑関>

一歩一歩着実に ずっと熱い、無理

時に冷静に 自分をゆっくり形成し

毎日経験を積み上げる やれば良かった、という悔い避ける

まずは幹・枝を伸ばす 基礎が無ければ途中で止まる

そして葉をたくさんつける 知識があれば選択が増える

それから才能の花へ 自分のやるべきことを掲げ

だから順序良く効率的に まずは基本を構築で良い

そして集まる仲間 それが一番の宝

<フック>

日進月歩 でもまだ新人程度

いつか太陽 越えていく、ある課題をー

日進月歩 でもまだ新人程度

いつか太陽 そしてまた、知る課題をー

<赤眼>

急がば回れ 色ならまだで

ゆっくり彩色 自分のペースで開国

誰かに急かされるモノじゃない 自分のためにあるこの課題

意見は参考に、でも違う全ては 自分にはある不得手が

自分の道を進めばいい 己の法律を作ればいい

貫こう、マイペース 自分の中に育った大エース

人に任せず、前進 エンジン搭載、切る先陣

自分で決定し、行動 心乱さないを徹底し、堂々

<フック>

日進月歩 でもまだ新人程度

いつか太陽 越えていく、ある課題をー

日進月歩 でもまだ新人程度

いつか太陽 そしてまた、知る課題をー

 静かめのトラック、ドラムとベースとピアノのみの曲だ。

 イントロにはドラムがあるが、ヴァースの最初の4小節はドラム無しで、より静かに始まる。

 森林浴をしているような、緑の木々と射す日光の幻が出現し、その中で緑関がゆっくりとラップし始める。

 木々の隙間から見える青い空に、これからを感じさせる。

 幹・枝を伸ばすから、森林全体ではなく、1つの大木に幻がフィーチャーされる。

 葉、花、と大木が鮮やかに、かつ、壮大に煌めいていく。

 最後の2小節でまたドラムが無くなり、静かに大木に動物が集まっていき、その大木に生物たちが寄り添っていったところで、フックへ。

 光景は夜、遠くに小さく輝く太陽、ピアノは毎小節の頭に和音を1回響かせるだけで、出来る限りトラックの音色は最小限に。

 静かに、でも沸々とやる気が漲ってくるようなイメージを大切にしている曲だ。

 ここから僕のヴァース、ここの頭もドラムを抜いて、4小節はドラム無しで、静かに始まる。

 夜の、黒い幻が灰色経て、白くなっていき、白い絵の具で着色された水に、赤色の絵の具の水滴を垂らしたかのような幻でスタート。

 その白い絵の具の水に、徐々にいろんな暖色系の水滴が垂らされ、グラデーションしていく。

 自分の道で、その水の上に一本の黄緑色の雑草の道が出現する。

 その雑草の道を歩いていく1人の人間、そして僕の最後の2小節は今までの逆で、あえてドラムの打つ数が増える。特に韻を踏んでいる『決定し、行動→徹底し、堂々』の部分が今までの8倍分のドラムが鳴り、自分で決定するという力強さを表現している。

 そして最後のフックでまたトラックは静かに戻るが、幻は最後、太陽の光が増していき、最後は夜が明ける。

 歌い終えた僕と緑関に向かって、青熱が

「もっとフックの言葉を埋めればいいのに、俺だったら『日進月歩、でもまだ新人程度 調子に乗ったら失神KO』みたいにするぜ」

 と誇らしげに言ってきたが、この台詞は青熱が、僕らがこの曲を歌い終える度に必ず言う台詞なので、緑関は完全に無視をするようになった。

 僕もいつものことなので本当は無視をしたいが、一度無視をした時、青熱が雨に打たれる子犬のような憂いを帯びたことがあるので、ちゃんと

「行間を開けることによって、ゆっくり応援という感じをより出しているんだって」

 と言っておいた。

 いちいち言って自分の韻を自慢してくる青熱は、やはり子供っぽいなぁ、と思っている。

 さて、次からがついにこのステージ用に作られた、いわば、このステージのウリ”二十四節気”だ。

 昔のことはイマイチよく分からないが、まあ200年前の人々は普通に使っていたであろう二十四節気をテーマにした曲を4曲目からし始める。

 2200年現代に生きる人々が、より季節を感じる曲を作りたい、ということからスタートした今回のステージ。

 2200年には四季という概念が行事・イベントぐらいでしか残っておらず、気温や湿度、天気さえも上空フィルムによって自由自在になった。

 そのことにより、過ごしやすく、また計画が立てやすくなったわけだが、昔の風情や情緒というモノが失われていった。

 その風情や情緒を想い起こさせる、それがイロトリドリ・ラッパーズのコンセプト。

 ステージを重ね、ファンの方々の努力もあって、僕たちは人気のアイドルグループになれた。

 それと同時に四季というものを考えてもらえるようになった。

 そしてついに、四季というザックリとした分け方だけではなく、日本には二十四節気という考え方があった、ということを表現するレベルまでこれた。

 さぁ、4曲目からがこのステージの本当のはじまりだ。

  • 3拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

コメントはありません

コメントを書く

とじる

4曲目:二十四節気1「春の二十四小節気」

 ここで曲の前に二十四節気の説明を入れる。

 緑関がマイクを持って喋り始める。

「皆様、二十四節気はご存知でしょうか、春夏秋冬という区切りはご存知ですよね、その春夏秋冬をより細かく分けたモノが二十四節気というものです」

 それを聞いた青熱が笑いながら野次を飛ばす。

「丁寧な口調でザックリ言ってんじゃねぇよ」

 その野次にツッコミを入れる白咲。

「いや青熱のほうが知らないだろ!」

 最後にそれをまとめるように僕が一言入れる。

「まあ実際僕たちも最初はよく分かりませんでしたが、曲を通じて、皆様にも二十四節気という季節の機微を感じて頂けたらなと思っています」

「青熱はまだ分かってないけどな!」

「白咲だって全然理解してねぇくせによぉ!」

「いや私はもう理解しているから! 何か、意外とすぐ分かったし! あっ、そう、って感じで!」

「漠然と適当に何言ってんだよ!」

 ……う~ん、締まらない。

 青熱と白咲の小競り合いの最中も、緑関は自分のペースで水を飲み、整えている。

 そして緑関から準備OKの合図が出る。

 ここからそれぞれのソロ曲となる。

 春・夏・秋・冬、と、二十四節気の曲をそれぞれ1人ずつするのだ。

 青熱と白咲のどんくりの背比べトークも、緑関のソロ曲のイントロが掛かり、一気に静かになった。

 僕や青熱、白咲は、サイドでお客を煽る役となり、緑関がステージの中央でラップをし始めた。

『春の二十四小節気』

≪小節構成:イントロ8-24-8≫

<緑関>

季節は立春からはじまり また一年と新たな再会

力強い南風の春一番で  凍えた白い吐く息去って

雨水で降雪が雨に変わり 天候の変化が時計代わり

徐々に体は本調子 元気を出して奔放に

そして啓蟄動き出す 心臓の鼓動、凄みある

青虫も羽化してモンシロチョウ 負けじとこっちも用意怒涛

やって来る春分、山笑う でもこっちはまだ淡く

桜が咲き誇るように 華で天を覆うように

清々しく明るい清明 色づく様々な生命

雨の後には虹が出る 仲間と切磋し言い合える

穀雨で穀物が潤う さぁ、成長を紡ごう

稲の苗は伸びていく 僕らは高く跳んでいく

 緑関のこの曲のトラックは、暖かいピアノのメロディが基本。

 始まりは白い幻に覆われていたが、徐々に花弁餅のような色になっていき、強い桃色の風が吹くと、あたりは暖かい色に包まれた。

 そして暖かい色の中を走っていく優しい雨、地面が出現し、徐々に雑草が茂渡っていく。

 大きめの雑草にいた青虫が羽化し、モンシロチョウとなり、ステージの宙が純白の翼で覆い尽くされる。

 モンシロチョウが過ぎ去った場所には桜が出現し、すぐにステージ全体は桜吹雪の中にいた。

 そしてまた雨が降り、今度は虹が出て、雑草から穀物に切り替わり、稲が伸びていった。

修正履歴

  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/08/13)

修正履歴を見る

  • 2拍手
  • 0笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 0惚れた

コメントはありません

コメントを書く

とじる

オススメポイント 11

つづけて SNS でシェアしてオススメシポイントをゲットしましょう。

とじる

このページの内容について報告する

送信中

送信しました

文字数の上限を超えています。