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音色にねがいを 完結

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世界を創造した女神は、眠りに就いた。
そして、その直前、万が一世界が壊れた時に、「再調律」できる音楽を、自分の断片として世界に遺した。
世界そのものとして眠りに就いた、女神の最後の独白。

1位の表紙

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 ああ、もう眠くなってきたわ。

 ええ、そりゃあもう、大仕事だったもの。

 そして、私の最後の仕事が「眠りに就くこと」。

 今や私そのものとなったこの世界が、健やかに存続するためには、私は今までのようにしょっちゅう動く訳にはいかないの。

 あの酷い戦で、数を減らした我が子たちだって、私が眠りに就いた後の穏やかな世界でなら、安心して数を増やし、繁栄していけるでしょう。

 私は表舞台から引っ込まなければいけない。

 さて、私の後継があの子たちに務まるかしら?

 お手並み拝見といったところにしましょうかしらね?

 ああ、そうだ。

 眠る前にしなければいけないことがあったわ。

 あの、音楽を。

 この世界に何かあった時のための、あの音楽を。

 石に音符を刻んであるの。

 それを、決して失われないようにしなければいけない。

 音符に人の姿を与えましょう。

 包み込むような胸が湧きたつような、そんな音楽だから。

 女の子の姿を取るんじゃないかって、そんな気がするの。

 あなたが、人の子としてこの世界に生まれてくるのは、どのくらい先かしら?

 できれば遠い未来であってほしいし、あなたが穏やかな人生を送り、自分の本質になんて永久に気付かなくても済むような、そんな世界であってほしいわ。

 でも、私にはわかるの。

 万が一は必ずある。

 私も、弱るかも知れないから。

 誰かが、不協和音をまき散らせば、私も、あの子たちだって弱って、世界を支えきれなくなってしまう。

 そんな時に、あなたにはあなたの音色を思い出してほしいの。

 そして、世界を癒して。

 私と、私の子供たちと、あの子たちを助けて。

 それができるのは、唯一、あなただけ。

 いつ、あなたに出会えるのかしら?

 楽しみに待つことにするわ。

 じゃあね。

 おやすみ。

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