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帰宅 完結

家族全員名探偵

更新:2018/8/13

nana

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ショートショート。名探偵親子がお互いを探ります。

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インターホンが鳴った。

玄関の前にはパパが居る。

いつもより遅い時間。

お風呂に入っているママに伝えた。

「ママ、パパが帰ってきたよ」

「ユウヤが出て」

「うん」

ドアを開けるとパパは疲れた顔をしていた。

「ただいま」

「おかえり、パパ」

「ママはお風呂?」

「そうだよ、ご飯は冷蔵庫の中」

「食事の前にパパもお風呂に入るかな」

「ねぇパパ」

「何だ?」

「パパ、不倫してるでしょ」

遅い帰宅に疲れた顔。

いつもは食事が先なのに、すぐにお風呂に入りたがる。

家のと違うシャンプーの香りを消したいのだろう。

パパはジムに通っていない。

家のと違うシャンプーの香りは、不倫相手とシャワーを浴びた時の香りと考えるのが自然。

つまり、パパは不倫をしている。

僕が推理を話すと、パパの顔は真っ青になった。

「ユウヤ、ママには黙ってくれるよな?」

「お小遣いをくれるならいいよ」

「いや、ユウヤは絶対ママには黙っておかなきゃいけないんだ」

「どうして?」

「テスト用紙がテーブルの上に無いからな」

テストの後、ユウヤは必ずテスト用紙をテーブルの上に置く。

妻がユウヤを良い学校へ進学させたがっている。

ユウヤが勉強にモチベーションを保てるよう、成績が良ければ俺から小遣いを渡している。

テーブルにテスト用紙を置かないのは、今回の結果がかなり悪いものだったからだろう。

それを妻に知られれば、ユウヤは酷く怒られる筈だ。

俺が推理を話すと、ユウヤの顔は真っ青になった。

「安心しろユウヤ、テストについてはパパがママをフォローする。その代わり不倫の事は話すんじゃないぞ」

「わかった。フォローお願いします」

俺とユウヤはお互いに不利が無いよう約束をした。

「お風呂上がったよー」

ママがお風呂場からリビングへやって来る。

パパの顔とテーブルの上を見てママが言った。

「2人共、私に話す事があるよね?」

この時まで僕もパパも忘れていた。

僕の家で1番の探偵はママだったんだ。

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  • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/08/13)

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【モノコン2018物語部門 予選通過のお知らせ】
息子の推理から父の推理へ。テンポのいい展開に好感が持てました。「僕」から「俺」へと一人称が移る仕掛けも効いてます。タイトルに工夫があるともっと素敵でした。

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とじる

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