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500円で人生はここまで変わるのか 完結

拾った500円で

更新:2018/8/23

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500円その程度で人の人生は大きく左右される。
これはそんなよくある話のうちの2人にすぎない。
もっと大きく成功したものももっと大きく失敗したものもいるだろう。
人生とはその程度のことで大きく変わってしまうほど常に変化をし続けるものなのである。

1位の表紙

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今振り返るとあれが全ての始まりだったのかもしれない。

僕はその日500円を拾った。

たかが500円と思うかもしれないがその時の僕にとっては大きかった。

僕は昔から趣味で小説を書いていた。

行く行くは小説で生きていけたら。そんな夢も持っていた。

僕は誰かに自分の書いた小説を読んでもらいたいと思いつつも、友達に読んでもらうのは少し恥ずかしいと思って誰にも読んでもらうことはなかった。

当時無料の小説投稿サイトなんてものは存在しなかった。

小説投稿サイトの会員登録に500円毎月の更新でさらに500円そのぐらいかかるのが普通だった。

僕は毎月のお小遣いなんてもらっておらず、500円を用意することはとても難しかった。

それにたとえ500円貯めたとしても僕にだって欲しい本はあるのだ。

頑張って貯めたお金を登録料に使うのはかなりの勇気がいる。

でも拾った500円なら特に思い入れのない500円ならいいかもしれない。

そんな思いで僕は小説投稿サイトの会員になった。

僕は昔から書いてきた小説を細かいところを直しながら片っ端から投稿しまくった。

来月の更新料の500円が払えるかわからないからとりあえず投稿できる間に投稿しまくった。

今日も投稿しようかなとサイトのマイページを開くとメッセージが届いていた。

面白かった

頑張って

続き待ってるよ

僕は嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

他人からの評価というものがこんなに素晴らしいものだったなんて初めて気づいた。

それからも僕は新しく小説を書いては片っ端から投稿しまくった。

更新料の500円も躊躇することなく払っていた。

昔は趣味の一つとして書いていた小説だが今では最大の楽しみでもう趣味なんて言葉じゃ合わないぐらいのめり込んでいた。

そして今日僕は出版社に来ていた。

僕の書いていた小説の一つがここの社員の1人の目に止まったらしい。

きっとあの時500円を拾ってなかったらもっと別の未来になっていたと思う。

小説は趣味としてまだ書いてたかもしれないけど今ほどのめり込んではいなかったかもしれない。

年が進めば自由なお金は増えるけど欲しいものも増えていく。

あの時投稿サイトに登録してなかったらきっとその先も登録することはなかったと思う。

そしたらこの出版社に来ることもなかっただろう。

500円で人生はここまで変わるのか。

今振り返るとあれが全ての始まりだったのかもしれない。

俺はその日500円を落とした。

それからだ俺の転落人生が始まったのは。

大の大人が500円ごときで何を言っていると思うかもしれない。

俺もあんなことがなければそう言っていただろう。

でもあんなことがあった後だとそんなことは言えない。

500円は大金なのだ。

その日は取引先との大事な会議があった。

俺は会社を出て途中で適当な菓子折りを見繕た。

財布の中には電車賃ぐらいしか残っていない状態だった。

俺は何を思っていたのか知らないがその時財布を軽く投げながら駅に向かって歩いていた。

バカなやつだ。

駅についていざ切符を買おうとしたらお金がない。

500円玉が入っていることは覚えていたのでそんなバカなと何度も探した。

そんなことをしている間にどんどん時間が過ぎていく。

まずいもう電車に乗らないと間に合わないそう思いながらもカバンの中ポケットなど少しでも可能性のある場所を探していく。

電話がなった。

社長からだ。

目の前が真っ白になった。

気がついた時俺は自宅にいた。

机の上に載っている書類を見るにきっとクビになってしまったのだろう。

周りを見ると普段よりスッキリしてる気がする。

よく見ると嫁の荷物がなかった。

そういうことなのだろう。

それから俺は家を出ることもなく、新しい仕事を探すでもなく淡々と日々を過ごした。

そして今日全てが終わる

あの日500円を落とさなければ、もっと金を持ち歩いていればそう思わなかった日はない。

きっとあのまま会社に勤めて子供が出来て幸せに一家の大黒柱として生きていたんだろうな。

500円で人生はここまで変わるのか。

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500円の世界、いや、この物語は500円の宇宙と言っていいほど、壮大なストーリーであると確信しました。
たかが500円されど宇宙。
つまりは、ビッグバーンのような始まりの世界ではないでしょうか。
面白かったです。

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とじる

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