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愛川君はクズい 完結

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皆様が書くような素敵なラブストーリーが好きなのに、自分が書くと何か違う気がします。

1位の表紙

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「最低っ!」

パシンと乾いた音がする。左側の頬っぺたが痛いからきっと彼女は、その震わせてる右手で俺を叩いたのだろう。

「痛いなー。俺なんかした?」

「よくそんなこと言えるわね!浮気してたくせに!」

「浮気?なんでー、俺してないよ?」

「は?友達があんたと他の女がホテル行くの見たって言ってんのよ!誤魔化せると思ってんの?」

「うん、行ったけど、それが?」

「ほら、浮気じゃない!?」

いや、君と俺、付き合ってないってないじゃん。

もう一発、今度はグーでやられた。

「おい、どうしたんだよ、暗い顔して。」

「ひどい目にあった。」

「多分100%お前が悪い。」

「えー、まだ何も話してもないのに。」

愛川礼也(あいかわゆきや)はこの物語の主人公である明るく愛嬌があり、誰にでも優しく男女ともに好かれる。おまけに顔も良かった。男らしいというよりは中性的で透明感がある顔立ちをしていた、幼いの時は女の子に間違われることもよくあるほどに。

そんな彼なので、異性から好意を寄せられることも多く、彼も可愛らしい女性というものが好きだったから、それに応じた。

ただ、彼は恋が分からない。

相手を独占したいという気持ちが彼には分からなかった。

その為、彼は今現在大学内でも女癖の悪い最低男と名高いのである。

「俺は、別に皆が好きなだけなんだよなー。」

「うわ、最低。」

彼は、首を傾げる。何が最低なのか彼自身には分からないからだ。

何故、平等に人を好きになってはいけないのだろう。

「どこ行くんだよ?」

「講義終わったし、八重ちゃんに慰めてもらってくる。」

「…。お前ら本当に付き合ってないの?」

「えー、だって八重ちゃんは俺のタイプじゃないし、俺は八重ちゃんのタイプじゃないよー。」

「でもなー、お前ら一緒に居すぎじゃね?前の彼女とはそれで別れたんだろ?」

「うーん、でも八重ちゃんだしなー。」

何だそれって言われてしまったけど、八重ちゃんは八重ちゃんだからなー。

大学って無駄に広いなーと思いながら、八重ちゃんを探す。八重ちゃんは全然連絡しても見てくれないから、自分で見つけてしまう方が確実だ。八重ちゃんも講義はもう終わりのはずだけど、今日は多分あそこに居るだろうな。

大学付属の図書館、入り口の機械に学生証をかざす。ピッと電子音がなって自動ドアが開く。なんで、図書館はこんなに厳重なんだろ、大学構内には結構誰でも入れるのに。

2階の一番端っこの学習スペースっと…。あ、いた。

染髪なんて知りませんていう短い黒髪に化粧っけのない気の抜けた身だしなみ、まるで男の子みたいな姿の彼女は、文庫本らしきものを読んでいるようだ。

集中しているのか、彼女が気づかないのをいいことに、気配を消して近づく。

「やーえちゃん。」

彼女は、びくっと声も出さずに驚くとこちらを見やるも、特に表情が変わった様子はない。決して大きくはないけど、黒目がちのきりっとした目がじっとこちらを見つめる。

「何か用?」

「用がなきゃ話しかけちゃいけないのー。」

「わざわざここまで来たんなら、用があるんでしょ?何?」

「用っていうかー、この後お茶しない?」

「もー皆、真面目すぎ!俺は告白された覚えないし、勝手に勘違いしたのはあっちじゃん!」

「知らないよ。だったら、手出さなければいいんじゃないかな。」

「それとこれとは別。」

「まず自分の事を見直したらどうだろう?」

彼女はなんだかんだ言って、俺を否定しない。

最終的には、どうでもいいと言い捨てるのだろう。

本当に楽でいいな。

彼女は、真面目でとっても男前。俺とは真逆。

だけど、俺と彼女は似ている。

俺と彼女は恋を知らない。

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  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/08/30)

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1

文章の軽快さと、愛川君の軽さがマッチしている気がしました。おもしろかったです。

枯葉猫

2018/9/5

2

枯葉猫さんコメントありがとうございます。
感想頂けて嬉しいです。ありがとうございます!

作者:amiy

2018/9/5

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