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部下が追い詰められると、やってくる。ウルトラな上司とさとり世代の部下の物語。 完結

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  さとり世代の谷間は、10人いる部署でなかなか認められず苦戦していた。それは、他の9人は昭和世代で、考え方の違いや、人間関係の作り方が不器用であることが原因である。と、言われている。

そんな追い詰められて、辞めることを心に決めている部下の谷間の相談に乗ろうと、その部署の部長である。太郎が、3分で出来上がるカップラーメンに熱々のお湯を注いでいる。

その目の前に座る谷間が話す、

「部長、カップラーメン食べるんですか?」

すると太郎は、お湯を注ぎ終え、やかんをテーブルの上に置くと、静かに谷間と目を合わせる。

その目は、誰よりも大きく。優しいのか、おこっているのか、泣いているのか、ともかく、谷間はやさしいまなざしに感じた。

目の色は、全体が黄色く。決して健康じゃない色とは違って独特であるのだ。

太郎の口は開くわけでもなく、しっかりクイしばっているわけでもないが、何か言いたそうだ。

谷間は、話す。

「ぼく、部署の足、引っ張ってますよね」

すると太郎は、下を向き、カップラーメンの蓋をしっかりと締め、割り箸をその上に置いた。

太郎は部長だけあって、時間に厳しいのか、胸にいつもタイマーをつけている。

そのタイマーは3分だけのタイマーで、青から赤に変わると3分になる。

谷間は、下を向く太郎が、自分のことを真剣に考えてくれてるようで嬉しかった。

その時、太郎の頭を近くから、まじまじと見たが、頭髪はなく、頭の形は、何かモヒカンのようになっている。

思わず、触ってみようと、谷間が手を伸ばすと、

太郎は静かに顔を上げたので、慌てて、手を膝の上に置いた。

谷間は言う。

「辞めた方がいいでしょうか?」

そう行った時、太郎の胸に付けたタイマーが点滅し、部屋中に鳴り響く音で

ピコンピコンピコン

太郎は、何も言わずに、蓋のしまったカップラーメンを谷間の前に置いた。

「え?これ、僕が食べていいんですか?」

そうやって、谷間が聞くと、とんでもなく、自信満々の声で、

「でぁぁああ!」

とだけ、叫び、部屋を出て行った。

太郎の出て行く後ろ姿は、まるで全裸のようで全裸ではなく、タイツのようでタイツを着ているわけでもなく、お尻の締まりも最高で、あれは、噂によると皮膚らしいのだが、赤と灰色の肌がさとり世代の谷間には、かっこよく見えた。

「僕が、昼飯食ってない事まで何でわかったんだろう」

そう呟き、太郎が作ってくれたカップ麺を食った。

「ウメェ」

谷間は思った。太郎部長は、俺の味方になってくれる人だと。

次の日から、谷間は、めげずに頑張り続けた。

頑張る谷間と太郎が廊下ですれ違う時。

太郎は、谷間の顔をあの眼差しで見つめ、誰よりも優しい声で

「だぁあああ!」

あれは、褒めてくれたのだと谷間は思った。

ーー完了ー

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