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おしゃべりな後輩 完結

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先輩のことが好きな後輩がただひたすら喋っている数十年のお話です。
ほんのり百合。

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「ねえ先輩、叶えたい願い事ってありますか?なんでもいいですよ。テストで100点とりたいとか、犬飼いたいとか、総理大臣になりたいとか。え?『全部あんたが昨日言ってたことでしょ?』せんぱあい、わたしの話、ちゃんと聞いてるし、覚えてるじゃないですか!ほぼ無視だからてっきり聞いてないかと・・・ほんとそういうことずっとすきですけっこんしてほしい・・・あああ待ってください!わたし本当に真面目に聞いてるんですってば!」

「プール掃除、めんどくさいですね。わたし達合唱部だからプール関係ないのにい。雨でも降らせましょうか?勝手に綺麗になりますよ、きっと。あーあー先輩、色気のないジャージだし。みてください!わたしちゃんとスク水ですよ!エロくないですか!?ちょ、ちょっとお、ホースで水かけないでください!!!」

「おかえりなさいませ、先輩!ご飯にしますか、お風呂にしますか、それともわ・た・し?・・・なんで扉しめるんですか!ひどい!うちのクラス?メイド喫茶ですよ?『その口上はメイドじゃない?』先輩だけ特別にお嫁さんメイド風です。えへへ、嬉しいですか?先輩ご主人様、何かしてほしいことありますか?なんでもできますよ?」

「先輩の賛美歌は本当に神様に届くみたいな響きですね。繊細で、透明で、祈りが切実で。こんな歌を聴いたら、神様だって一目惚れですよ」

「先輩、卒業おめでとうございます。願い事決まりました?卒業するんですから、最後に校舎でも爆発させときます?え、過激?花火みたいでロマンティックじゃないですか・・・あー待って待って距離をとらないで!!!ほんとのほんき、わたし、先輩の願いごとを叶えたくてこの学校選んだのに最後までなんにも言ってくれないなんて、だめですよ。これでお別れなんて悲しいです・・・え、『同じ大学くればいいんじゃないの』・・・?それってもうプロポーズでは・・・?あー待って先輩行かないで!!!」

「センパーイ、わたしという彼女がいながら彼女作るとはどういう了見ですか!訴えますよ!え?『あんたは一番可愛い後輩』・・・?でへへ、先輩褒め上手!一番だって!でへへ。なんか叶えときます?今日は素敵な後輩記念日って日でも作りましょうか?」

「彼女さんのピアノと先輩の歌、とっっっても素敵でした。やっぱりわたしは音楽に弱いなあ。邪魔してやろうと思ってたのに、あんなに素敵な音を聴いたら好きになっちゃった」

「彼女さん、めっちゃいい人・・・ピアノ素敵だし、髪さらさらだし、目おっきいし、おっぱい柔らかいし、ケーキくれるし・・・っていったい!!なんで先輩叩くんですか!ひどい!え?触ったのかって?触りましたよらっきーすけべです!痛い!また叩くなんてひどい!」

「先輩、言いたいことがあったら、ちゃんと伝えないとダメですよ!先輩は口下手なくせに口が悪いからなんて言っていいのかわからないかもしれないけど、仲直りに言葉は必要ですよ!大丈夫です、先輩がゆっくり目をみてお話すれば全部真摯に届きますよ。最後にぎゅって抱きしめれば完璧です。なんなら私で試してみますか?なんちゃって」

「先輩、みてみて。彼女さんと先輩の好きなとこ100個書いてみました。誕生日プレゼントであげますね。わたし100個書いてきたんですけど、彼女さんも100個書いてきてほとんど好きなとこ一緒だったんです。ふふ、すごいですね。先輩、お誕生日おめでとうございます。ずっとずっと大好きです!」

「明日、ご実家に帰るんですか?お土産?うーん、ご当地キャラのストラップとかほしいです。もちろん、お揃いで。雨予報でしたから、気をつけて行ってきてくださいね!安全運転!ですよ!」

「せんぱい、」

「せんぱい、泣いてるの?」

「ねえ先輩、願ってください。先輩が望めば、わたしはなんでも叶えます。先輩を男の人にすればいいですか?それともあの人を男の人にすればいいですか?そうすれば、先輩のご両親はもう悲しみませんか?先輩も、悲しくないですか?ねえどうすれば泣くのをやめてくれますか?先輩、泣かないで」

「先輩にずっと笑っていてほしい。幸せでいてほしい。」

「全部、私の願いだ。叶えたい願い事をあなたはくれやしない。」

「幸せになってほしい」

「どこか遠い国に連れて行きましょうか。偏見のない、美しい国がきっとあります。遠くへ行きましょう。あなたたちを傷つけない世界へ逃げてしまいましょう」

「ねえきっと、聞こえないだろうけど」

「わたしは実は神様で、先輩に一目惚れして人間になったんです。

先輩が高校生の頃、小さな協会の裏でソロパートの練習をしていたでしょう。透き通った歌声と亜麻色の長い髪にキラキラした眼差し。わたし、一目で好きになってしまったんです。」

「すぐに人間になって、先輩と同じ高校に入学しました。だけど、神様が人間に恋をしてしまったら、世界のバランスが壊れてしまう。先輩だけの神様になったけど、絶対に先輩は、わたしが神様ってことを信じられないようになってるんです。この話も、あなたの耳には届かない。わたしの言葉を理解できないようになってるでしょ?あなたの望みだけ叶えられる神様になったのに。」

「なんでもできるのに、なにもできない」

「ただ、悲しい」

「?先輩?」

「な、泣いてないです。泣いてないですってば!」

「先輩、手なんて繋いでどうしたんですか?浮気ですよ?・・・彼女さんが家でいっぱいパンケーキを焼いてるから一緒に食べよう?甘いものをたくさん食べたら元気になるから?いや、わたし邪魔者でしょ・・・なんにもできないですもん・・・・。『一緒にいてほしい』?・・・敵わないなあ、もう。」

「先輩、先輩」

「雨、止んじゃいましたね。相合傘できると思ったのに残念です。でもこれで歩いて帰れますね」

♪♪♪

「先輩、」

「聞こえますか」

「大丈夫ですよ、わたし、手を握ってます」

「何かしてほしいこと、ありますか。世界旅行でもしますか。」

「『最後までここにいたい』・・・そうですか」

「先輩、ほんとにこの教会好きですね。もう随分廃れてしまったのに・・・」

「『信じないかもしれないけど』?先輩の話をわたしが信じなかったことなんてありますか?先輩がいうなら明日世界がおわるって言っても信じますよ。」

「『神様の声を聴いたことがあるの』・・・・・・いつ?」

「高校に入ってすぐ、ですか。先輩の歌を聴いて、『好き!!!』って空から?・・・・・・・随分感情的な神様ですね。ええ、ほんと」

「『嬉しかった』?ほんとに?」

「・・・ええ、好き、って言葉嬉しいですよね。ずっと嬉しかった?わたしの『好き』も?『ありがとう』、だなんて。わたしは、ただ、本当に、」

「歌を歌ってほしいんですか?先輩の前で歌うなんて恥ずかしいな。でも、あなたが望むなら、わたしはなんでも叶えますよ」

「一緒に歌いましょう」

「あなたの歌がずっとずっと好きでした。これからも、きっとあなたのことが、わたしは永遠に好きなまま」

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【モノコン2018物語部門 予選通過のお知らせ】いやー、後輩ちゃんの可愛さにやられてしまいました。もともとはどんな音符だったのでしょうか。一方的な会話(?)で楽しく癒される不思議な経験をしました。可愛らしく健気で力強くて。素敵なお話でした、

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モノコン2018予選選考スタッフA様
予選通過のお知らせ、ありがとうございます。とても嬉しいです!一方的なお話から、相手の姿や物語が想像できたら楽しいと思い創作しました。本当にありがとうございました!

作者:キキ

2018/9/11

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