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恋愛体質おじさんに化かされた 完結

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収集が、つかなくなって参りました。

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 「やっぱり■%*⊿君には敵わないなー」

 五教科で500点満点。文句無しの学年トップ。私はいつも2位。張り出された期末テストの成績は、埋めがたい後一歩をいつも突きつけてくる。

 「どうしたの?由奈」

 「■%*⊿君って、やっぱりスゴいんだなーって」

 最初は敵視もしてたけど、■%*⊿君のおかげで今まで頑張ってこられた。500点満点で■%*⊿君と並ぶ。いつしか、そんなことが私の夢になっていた。

 「■%*⊿君って誰?」

 美香が訊いてくる。

 「やだなー。ほら、いつも学年トップの」

 「由奈大丈夫?いっつも学年トップなのは由奈じゃん」

 (えっ?)

 もう1度張り出された成績表を見上げる。

 1位 諸里由奈 498点

 「あれ?■%*⊿君は?」

 「だからその■%*⊿君って誰なの?」

 (ちょっと待って、訳が分からない)

 「あっ、そっかー!由奈、恋愛体質おじさんに化かされたんだよ!」

 (恋愛体質おじさん?)

 二度寝にも慣れた。あの角を曲がれば学校までは一直線。まだ5分程度は余裕があるだろう。

 ガードレールの根元を蹴り、素早く角を曲がる。

 「危ない危ないアブなーい!」

 突然現れた女子と正面衝突した。お互いの身体が跳ねる。

 ドンッという鈍い音。どうやら腰を打った。女子の方は大丈夫か、と顔を上げると真っ先にめくれたスカートが目に入った。顕になった大腿部。そして・・・

 「ヘンタイ」

 刺すような声が聞こえた。

 「えっ?」

 「女の子に激突しといて、心配するならともかくスカートの中を覗くなんて、変態でしょ!」

 「別にわざと見たわけじゃねーよ!自分でおっぴろげてたんじゃねーか」

 「自分でするもんですか!アンタがスゴいスピードで走ってきたから」

 「お前の方こそスゴいスピードだったぞ!」

 「あんたにお前呼ばわりされる筋合いないんですけど!」

 (俺だってアンタなんて・・・)と言おうとしたが、彼女が同じ制服を着ていることに気がついた。

 「カナ高なら、逆方向だぞ。ここを真っ直ぐ行ったとこだ」

 「えっ、そうなの?」

 彼女が勢いよく振り返ると、スカートがまた翻った。どうやら怪我の心配はなさそうだ。

 「それは、ありがとう。じゃ、さよなら!」

 そう言って彼女は凄まじいスピードで駆けて行った。やっぱり速いじゃないか。転校生だろうか、見たことのない顔だ。

 「おぅ、立花。派手に転んでたな」

 同級生、御堂ツツジ。

 「知らん女子と思いっきりぶつかってさー」

 御堂は首を傾げた。

 「女子?そういえばお前、1人でなんか言ってたけど、周りに誰もいなかったぞ?」

 (えっ?)

 だって、実際に喋ったし、パンツも……。

 「ははーんさてはお前、恋愛体質おじさんに化かされたなー?」

 (恋愛体質おじさん?)

 下駄箱を開けると、噂でしか聞いたことのないアイテムが入っていた。真っ白な封筒に赤いシール。まだ誰も登校してきていない時間。俺が真っ先に学校に来ていることを知っているのだろうか。

 『松ヶ崎くんへ

   好きです。付き合ってください。

    #*₩△♭▼ @?/*+**-%&!』

 知らない名前だった。@から後ろはIDだろうか。

 「なぁ、#*₩△♭▼って女子、知ってるか?」

 隣の席の野田に訊いてみた。

 「いや、知らないなー。どうした?」

 「いや、こんなんもらっちゃってさ。俺、こういうのもらうの初めてだし、しかも知らない名前なんだよ。んでこの、@の後は、なんかのIDだよな?それもよくわからなくってさ」

 その辺のことも野田に訊いておきたかった。

 「ん?もらったもなにも、お前、何も持ってないぞ?」

 (えっ?)

 「恋愛体質おじさんってなんなんだろうな」

 「えあ?」

 園部弓子はアイスを口に咥えていた。小学校の頃から家族ぐるみで付き合いのある幼馴染。

 「あぁ、なんか噂になってるやつね」

 「しかもなんでおじさんなんだろ。やってること乙女なのに」

 弓子は眉間に皺を寄せた。

 「乙女かぁ?私にしたらただの気持ち悪いおっさんだよ、少女趣味の」

 「少女趣味か」

 なるほど、と思う。

 「ちっちゃいおっさんの仲間かなんかじゃねーの?」

 弓子はスカートをパタパタさせて涼んでいる。高校生にもなると目のやり場に困ってしまう。

 「あ、目ぇ逸らしてやーんの。このムッツリ君め。一緒にお風呂入った仲でしょうが」

 「だっ・・・!」

 言葉が出てこなかった。弓子はいつもこうやって僕をからかってはケタケタと笑う。

 「柳楽ー、1人で何やってんだよ」

 もう1人の幼馴染、松本義也。

 「1人もなにも、また弓子にからかわれてんだよ」

 「ん?お前、ずっと1人だったぞ。それに、弓子って誰だ?」

 (えっ?)

 恋愛体質おじさん・・・。マンガに出てくるようなイベントを現実の世界で発生させる。イベントの主人公は、他の者に指摘されるまで、偽の現実だと気づくことが出来ない。主人公の選択基準は不明。

 分かっているのはこんなところだろうか。特に興味はなかったが、最近至る所でその名前を聞くので調べてみた。なるほど、タチの悪い能力だ。出会いや思い出がなかったことになるわけか。いや、初めからないんだけど。

 (一度、化かされてみたいもんだな)

 そんなことまで考えるようになってきた。

 「また何か調べてるの?」

 クラスメイトの細木咲が話しかけてきた。ノートを覗き込んで不思議そうな顔をしている。

 「いや、別に興味があった訳じゃないんだけど。学校中の話題になってるから調べてたわけ。なんか、スゴイのが現れたんだな」

 咲はまだ不思議そうな顔をしている。その目を僕に向けてきた。

 「恋愛体質おじさんって、誰?」

 (えっ?)

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  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/09/21)
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  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/09/20)

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monogatary.comも、恋愛体質おじさんが運営しているのかも知れませんね。

作者:山羊文学

2018/9/20

3

ずっと読み続けてたら自分の生活が空想か現実か疑わしくなってきますね(^_^;)

Hinaminami

2018/9/22

4

そういう物語が一番好きです。もっともっと、もやもやした物語にしてみたかったです✨

作者:山羊文学

2018/9/22

5

わたしはじゅうぶんもやもやしましたよ(^_^)💦

Hinaminami

2018/9/22

6

とても光栄です💕。でもまだまだ行きますよー!

作者:山羊文学

2018/9/22

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とじる

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