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君をずっと見ていた 完結

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ストーカーじゃないと思います、多分。

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君とは、出会って20年になる。

その間、ずっと君だけを見てきた。

初めてプレゼントを渡した時の嬉しそうな顔も。

告白した時の泣きそうな笑顔も。

仕事で認められずに泣きそうだった時も。

ずっと君だけを見てきた。

もちろん、嘘をつく時の癖だって知っている。

髪を耳にかける。

目が泳ぐ。

手が震える。

足が相手とは違う方を向く。

そう、知っているはずだった。

でも、今僕と話す君は。

嘘であってほしいと願う君は。

嘘を言っていない。

「ねえ、聞いてるの?

 他に好きな人ができたから、別れてほしいの

 ちょうど良かったでしょ?

 貴方も社長の娘と結婚できるし」

「違う、僕は」

「もう疲れちゃったのよ

 ただ幼馴染みだというだけで付き合うことになったのに」

「ちょ、ちょっと聞いてくれ」

「嫌よ、もう話したくないの

 ごちそうさま、お金は置いておくわ」

そう言って出て行く君を呆然と見ていた。

でも店から出たすぐ後に。

髪を耳にかける君を見た。

慌てて机にお金を置いて追いかける。

「お客様!?」

「あ、す、すみません!!

 お金は、机に置いてあります!!」

まだそんなに離れていなくて良かった。

「み、美晴!!」

「吉秋……?

 えっ、ちょっ、なんでここに

 いやっていうか、わ、別れようって言ったじゃない!」

「僕は了承していない」

「いや、え、しかもなんで追ってきたの?

 ああ言ったら、大体来ないじゃない」

「だって、君が髪を耳にかけたから」

「そ、それだけ……?」

「充分だよ、君が嘘をついていると分かるには」

「そう……

 はぁ、頑張ったのに、貴方を騙すなんて出来ないのね」

「でも、僕は良かったよ、これで君に大切な話が出来る」

「あ、そ、そういえば」

「はい、これ開けて」

「う?うん」

そして、中を見た君は。

号泣した。

「や、やっぱり、今日だったんだ~~~」

「そりゃそうだよ、初めて会った日だもん」

「だ、だから、別れたか、たのに」

なんかポコポコ叩かれている。

痛い。

でも可愛い。

「改めて言うよ

 他の誰でもない、君を愛しています

 どうか、結婚してくれますか?」

「う、うん、うん、ずるぅぅ~~」

「良かった

 じゃあ、帰ろうか」

「うん、帰る……」

ああ、良かった、嘘で。

このナイフを使わなくて済んだ。

嫌な予感がしたから持ってきたけど、使わないで終わって本当に良かった。

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とじる

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