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オトリ 完結

更新:2018/9/29

文月八千代

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1位の表紙

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 オレの前に、あいつの姿がチラチラ見える。

「邪魔だ!邪魔だ!」

 ここはオレのテリトリーだ。

「お前なんかあっちに行っちまえ!」

 そう言って、力いっぱい体当たりをしてみた。

 あいつはうろたえながら逃げていく。

「おととい来やがれ!」

 また違うヤツが来やがった。

 軽く威嚇してやると、一目散に逃げていった。

「ふふん、オレの迫力にビビったか?」

 テリトリーにいていいのはオレだけだ。

 追い払っても追い払っても、侵入者はやってくる。

 ほら、また来た。

「懲りねぇな、まったく」

 近づいてきたヤツに、オレは全力で体当たりする。

「ざまぁみ……んあっ!?

 な、何だ?痛ぇぇぇっ!!」

 ぶつかった直後、鈍い痛みが身体に走る。

「あっ……クソッ、オトリかよ!」

 

 『友釣り』は、鮎釣りの釣法のひとつ。

 生きた鮎をオトリに使う。

 オトリの鮎に針のついた糸をぶら下げ、他の鮎を引っ掛ける。

 『友釣り』なんて呼ばれているが、フレンドリーなものではない。

 なぜか?

 鮎にはテリトリーに侵入してきたものを追い払おうと、体当たりする習性がある。

 その習性を利用して釣り上げる釣法が『友釣り』だ。

 これはそんな鮎の友釣り……別名、『オトリ鮎』の話である。

 オトリに煽られ釣られた鮎は、いったい何を思うのだろう?

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1

鮎の気持ちを擬人化しているところがナイスでした。
センスの良い物語だと思います。

2

あふりかのそら様
コメントありがとうございます(*´∀`*)
山の方をドライブしてたらのぼりを見かけ、思わず書いてしまいました。
センスの良い物語…そう言っていただけ光栄です!

作者:文月八千代

2018/9/29

3

なんだろう、ヤンキーものかな? 抗争かな?
……と思っていたら、まさかのオチに膝を打ちました。
こういうことか。
なるほど、釣られる方にしてみれば、確かにこういう気持ちでしょうね。
表紙でちょっと覚悟してたんですが、ちょっと笑ってしまいました(´∀`*)ウフフ

大久保珠恵

2018/9/29

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とじる

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