2

雪の街 — 中学時代 — 完結

ポイント
72
オススメ度
12
感情ボタン
  • 2
  • 1
  • 0
  • 0
  • 1

合計:4

中学男子の思い出です。

1位の表紙

すべてのコメントを非表示

どさっ!

放課後、校門を出るちょっと前、だれかが雪玉をぶつけるから、

突然に始まる雪合戦。

やれやれという気持ちと、ちょっと心がはずむのと。

はずむ理由は簡単で、まあ、言わなくてもわかるでしょう。

ご想像の通りです。

1か月後には高校入試を控えている。

ちょっとピリピリしているやつもいれば、まったくのん気なやつもいる。

だれかが雪玉を、と言ったけれど、だいたい最初に始めるのは、宏太だろうな。

後ろを振り向くと、やっぱり。

もう2投目が飛んできてる!

でも、僕はこれをよけない。

なぜって?

言わなくてもわかるでしょう。

前にあの子がいるからです。

それでも隣りの俊介が、宏太たちに応戦しまくるから、

雪玉の応酬は激しくなって、

結局前の女子たちにも当たってしまう。

ていうか、宏太たちは最初から当てるつもりだろうけど。

前の女子たちも投げ返し始めて、前からも後ろからも雪玉が飛んでくる。

僕はとりあえず、1つ思いっきり速い玉を宏太めがけて投げてやって、

その後は、1人1発ずつは当ててやろうと、

真冬のスナイパーの気持ちだった。

わあわあきゃあきゃあ言いながら、なんだかんだ楽しんで、

だいたいの人には1回命中させた後、

まだ当てていない彼女と目があった。

そのとき僕が持っていた雪玉は、結構硬そうだったから、

それはわざとはずして、新しく柔らかく握った雪玉を、

当てたいような、当てたくないような。

ゆっくりした玉で当たってくれ、と思って優しめに投げるから、当たりゃしない。

彼女の玉も、もともとコントロールが良くないのか、当たりゃしない。

だから僕は立ち止まった。どうか当ててくれ!と願って。

どさっ、雪玉が当たる。

バカ!お前じゃねえよ!右後ろで宏太がげらげら笑っている。

雪をかき集めて、もう次の玉の準備までしている。

前に向き直ると、彼女は雪を持ったまま笑ってるから、まあ、いっか。

今度は大の字に立って、的ですよアピールをした。

でも、宏太のヤロウ、ここぞとばかりに連投してきやがる。

右後ろから大量の雪玉を食らいながら、

そのときひとつ、ふんわり浮いた雪の玉が、真正面から飛んできた!

僕は 、

僕もふんわりジャンプして、

ヘディングをした!

人生で一番いいヘディングだったと思う。

  • 2拍手
  • 1笑い
  • 0
  • 0怖い
  • 1惚れた

1

雪の時期の中学生あるあるですが、とても爽やかで、瑞々しい恋心が描写されているのが好ましいです。
無邪気にふざけていた時期が、未来の主人公さんにとってどんな思い出であるのか、色々想像させられます。
最後の一文が効いていますね(´∀`*)ウフフ

大久保珠恵

2018/9/30

2

大久保珠恵様
コメントありがとうこざいます。爽やかで瑞々しいと言ってもらえて嬉しいです!最後はもう少し書こうかどうか悩んだ所で、やっぱり書かなくてよかったのかも知れません。有難いコメントを頂いたので、大久保さんには取り敢えず雪玉投げときますね笑

作者:文彦

2018/9/30

3

口語体の散文的な文章がテンポ良く、楽しく読ませていただきました。
スタッフK

4

中嶋ユキノスタッフ K 様
コメントを頂きありがとうございました。とても嬉しいです!サラッと読めるようにということと、中学男子らしく綺麗になりすぎないようにということを心がけて書きました。これを励みに新しいものも書いていきたいと思います。

作者:文彦

2018/10/12

コメントを書く

とじる

オススメポイント 12

つづけて SNS でシェアしてオススメシポイントをゲットしましょう。

とじる

このページの内容について報告する

送信中

送信しました

文字数の上限を超えています。