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キミニツタエタイ 完結

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君が思い出に変わってしまう時。

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本当は君の無邪気なところとか。

すぐ泣いてすぐ怒って。

でも一生懸命でどこまでもあたたかい君のこと、

好きだった。愛してた。

君がいないと僕はどうやって生きていけばいいんだろう。

嫌だよ別れたくない。

彼は言った。

彼と彼女の2人しかいないその部屋で、彼は彼女にそう言っていた。

遅すぎるよ。

なにもかも。

もっと早く言ってくれればよかったのに。

いつも怒ってばかりだったくせに。

もう別れようって、何度も言ってきてたくせに。

ベッドで横たわる彼女が言った。

彼女はしかめっ面で。

でもどこか嬉しそうな。

……そんな顔をしている気がした。

俺さ。すぐ君のこと忘れちゃうよ。

それでもいいの?

いやなら戻ってきて。

無理だよ。戻れない。

最期まで一緒にいようって言ってたのに。

嘘つき。

ひとりにしないでよ。

ごめん。

好きだ。

好きだ。

愛してる。

愛してるよ。

愛してた。

今も愛してる。

これからも愛してる。

こんなに愛してるのに。

彼は彼女の手をとった。

その手は氷のように冷たかった。

わたしだって

あなたのこと、愛してたよ。

彼女が、泣いた、

気がした。

こんなに好きな気持ちも

君の顔も

僕は忘れてしまう日がくるんだろうか

君のあたたかさも

最後に握ったこの手の冷たさも

みんな忘れてしまう日がくるんだろうか

君がいなければ僕は生きていけないと思っていた

なのに

君がいなくなった世界でぼくはひとり生きていく

思い出になってしまう君を置いて

ぼくは生きていかなければならないのか

好きだよ

手を握ったままもう一度彼は彼女につぶやいた。

好きだよ

彼女の手を握ったまま、彼はひとしきり泣いた。

彼女の薬指には彼が渡すはずだった銀色の指輪がはめられていた。

指輪が、返事の代わりにキラリと光った。

end.

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  • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/09/30)

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