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やっしーの密かな野望 完結

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このお話に登場するのはmonogatary.comのやっしーさんと同じ名前ですが、実在の人物とは一切関係ありま(以下略)。

1位の表紙

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 30歳まで純潔を守り続けた男性は、魔法使いになれるらしい。

 簡単に言うと、ずっと童貞でいなきゃいけないってことなんだけど。

 友達との会話でそれを知った、クラスメイトのやっしーが

「じゃあ俺、魔法使い目指すわ!」

と、大きな声で宣言していた。

 

 他の男子たちはというと……。

「お前、本気かよ!?」

「俺はパス!」

「つれーわ……童貞、マジつれーわ!」

 そんなことを口々に言っていた。

 みんな思春期だから、そうなるのも当然である。

 でもやっしーだけは、キラキラした目でなにか考えているようだった。

 イヤな予感がする、なにかを。

 いつもはすぐ現実に戻ってくるのに、今日は違った。

 授業中もボーッとしていて、放課後になっても呆けている。

 教室で西日に照らされたまま帰ろうとしないやっしーに、

「昼休みに魔法使いになるとか言ってたけど……本気?」

と冗談っぽく聞いてみた。

 返事はすぐ返ってきた。

「本気!ガチ!」

 私のほうをキッと見ながら、真剣な表情でそう言うやっしー。

「俺、魔法を使えるようになってやる!」

 そう自分の世界に浸りきった目で言ってきた。

 

 これは……私がなにを言ってもムダなやつだ。

 面白いから話に乗ってあげよう。

「ふぅん……で、魔法を使えるようになってどうするつもり?」

 気になることを尋ねてみる。

 すると今度は真面目な顔で、

「したいことは色々あるけど、一度でいいから時間操作をしてみたいって思ってる」

なんて言い出した。

「時間を……ねぇ?」

 疑問の目を投げかける私に、

「例えば、悲惨な事故とか事件が起きないように操作するとかさ」

という、普段のやっしーからは出てこないこの言葉が返ってきた。

 でも、時間に干渉するのはタイムパトロールに……って、違う世界のお話だから大丈夫か。

「あっ、未来に行って、老けたお前に会うのも面白いかもな」

「会ってどうすんの……ていうか、老けた言うな!

 で、他にもなにか理由あるんじゃないの?」

 なんとなくそう聞いてみる。

「ほ……か……に?」

 おっと、やっしーの調子が変わったぞ?

 さっきまで釣り上がっていた口角が、みるみるうちに落ちてくる。

 そんな表情の変化を見ながら、私は続けて喋った。

 

「やっしーのことだから、他に何か考えてるんじゃないかなっておも……」

「ないないないないないない!

 時間を止めて好きなあの子とムフフッ♡なんて……ないないないない!」

 顔を真っ赤にして必死に否定してきたやっしー。

 なんとなくだけど、やっしーは魔法使いになれない気がする。

 私の言葉を遮ってまで言ったことを聞いてそう思った。

 根拠はないけど、なんとなくそう思った。

 べっ、別に、相手が誰かなんてっ、気になって……ないんだからっ!

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1

ないないないないないに、全てあるような気がしました。
童貞を貫くのは、ドウテイ 無理。
何じゃろって思って読みましたが、面白かったです。

2

あふりかのそら様
コメントありがとうございます(*´∀`*)
前回のいじり方があんまりだったので、救済の言葉を…。
>童貞を貫くのは、ドウテイ 無理 ナイスです♪

作者:文月八千代

2018/10/6

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