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この恋が思い出に変わるまで。 完結

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あの時、あいつに出会ったことですべてが変わり始めたのかもしれない。

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目次

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何も感じない日々に

初夏。

梅雨が明け、街は蒸し暑い夏へと突入しようとしていた。私は、誰もいない家でベランダの窓を開け、その縁に頭を置く。真っ青な空。その中を悠々と泳ぐ雲。それを眺めるだけで、精いっぱいだった。何も感じない。生きた心地すらしない。私を無造作に流していく世界と時間。当たり前の事だけど、人間だから年は取る。身体の代謝は衰えるし、白髪だって生えてくる。視力も聴力も衰える。

「こんな私なんて……」

“こんな私なんて、誰も好きになんてなってくれない。”

「なんでそんなこと思うの?」

少し、頭を右に向けてみる。そこにいたのは、左手に缶ビールを持ち、口に煙草をくわえた男。ぼさぼさの髪、でも、手入れされた口髭と顎髭。白いYシャツが印象的なその男が、隣のベランダの縁に座っていた。

“やせている”というより“やつれている”といった方が似合う男。

ただ……この家には今誰もいないはず。なのに、知らない男がそこにいる。

でも、なぜかその違和感だらけの状況とその男の存在をすっと受け入れてしまった。

何も感じない日々が、少しずつ変わろうとしている瞬間だったのかもしれない。

この男が視界に入ってきたことで……

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日常の空間に、突然、非日常が現れたかのような、冒頭からある意味とても大胆だと思います。しかもその非日常をすんなり受け入れてしまう、本来感じられてもおかしくない違和感がまったくない、ここが素晴らしいですね。「ふつうならこうなはずだ」という常識を無視している点がすごく良いと思います!

湊あむーる

2018/10/6

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<湊あむーるさん
ありがとうございます!!めっちゃうれしいです!!
こんなお話ですが、よろしくよろしくお願いします。

作者:清田花音

2018/10/6

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とじる

誑かす質問と不敵な笑み

「何でそんなこと思うの?」

いきなり現れた男に唐突にぶつけられた質問。

「人間関係が嫌いなの。で、あんたは誰?」

私も質問をぶつけ返す。すると……

「僕?さぁ、なんだろうね……」

自分のことをたぶらかしながら、煙草を吹かす男。へらへらと不敵に笑う男を見て「警察呼びますよ。」と冗談めかしに言葉をぶつけてみた。

「呼んでも無駄だって。」

「なんでですか?幽霊とかそんな類ですとか言うんでしょ?」

「そうですけど。」

何のためらいもなくさらっと答える男に恐怖を感じながらも「じゃ、何?」と私は返す。

「さぁ~……」

また、さらっと交わされた。その時、家の玄関からカチッと鍵の音が響く。そして、ドアが開き私の家族が大量の買い物をもって部屋になだれ込む。そして、私に話しかける。男は、起き上がった私の後ろに立ち何か色々していたようだが、家族は何も気にしていない。ただ、いつも通りに私に話しかける。

「ねっ。」

男はへらへらと笑いながら、再び煙草をくわえベランダの柵にもたれかかった。

不敵な笑みで何かを伝えるように……。

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  • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/10/11)

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とじる

眠れない満月の夜に

深夜2時

眠れなくってキッチンで水を飲み干した。窓から差し込む満月の光。布団にも枕にもその光が当たっている。昔から月の光が好きで、月の光が自分に当たっていると気持ちが落ち着いた。

目をつぶると、あの男の事を思い出す。

名前も素性もすべてはぐらかされて……何もわからなかった。そんな男のことが気になって気になって仕方がない。

「そんなに、俺のこと知りたいん?」

気が付くと、月の光に紛れて伸びる黒い影。窓際、ドアにもたれかかる男の姿がそこにあった。

「だって、何にも知らないから……」

「知らないほうがいいよ、俺ん事は。」

私を包む煙草の香り。朝とは違う自分表現。すべてが不思議だった。だから、全て知りたかった。

「なんで?」

「だって、俺は……」

気が付くと夜が明けていた。

知らないうちに眠っていたんだ、私。

スマホに映った時間はAM6:16

あの男の姿はなかった……

「だから、気になるんじゃん……。」

私の中で、あの男の存在が日に日に増していく。

私の中で、あの男の存在を求めている。

そんなもやもやした感情を無理くり押さえつけて、弁当作りに手を付ける。

もやもやしながら……

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とじる

週末、メイクはいつもと違う

仕事が終わり、帰りの電車。

最近電池の減りが早いスマホとにらめっこしながら、電車に乗り込む。履きなれないピンヒールで、ブレーキがかかるたびにこけそうになる。

週末。金曜日。私は、一週間のストレスを発散するかのように繁華街に繰り出す。数時間楽しんでから帰宅するようにしている。

電車は、ネオン渦巻くその町に降り立つと、即座に駅ビルのトイレに駆け込む。メイクを直すためだ。

普段、職場ではあまり目立たないメイクをしている。すべて薄めのナチュラルメイク。マスカラもアイラインも入れない。時間がない時はリップもしない。リップクリームだけ。なので、週末にこの場所に降り立った時だけ少しメイクを頑張っている。

ビューラーでまつ毛をあげ、ボリューム系のマスカラをつける。そして、リキッドのアイライナーで目元を強調。リップもレッド系のリキッドルージュを使った。

「ふ~ん。かわいいね。」

鏡を見ると、あの男がくすくす笑いながら私の後ろに立っていた。

「ここ、女子トイレですよ。」

「大丈夫。俺とお前しかいないし。」

男は、そういいながら煙草を持った右手を思いっきり鏡に当てる。そして、左手は私の腰元に回した。

「何がしたいんですか?」

「うん?こうしたかっただけですけど。」

耳元で囁かれ、イラっとした私。煙草の香りの中に、かすかに香る酒の香り。男の存在を唯一証明するその香りすらもイラっとした。

「わかんない。」

「そんなに知りたいん?」

男のその言葉と共に、私の景色は一瞬にして闇になった。

一瞬で。

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  • 改稿により一部内容が変更になっている箇所があります。(2018/10/12)

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とじる

月の光とレトロ空間

「えっ……」

デパートの屋上。だけど、私が普段見ている景色と違う。昔、子供の頃に見た屋上風景がそこに広がっていた。

遊園地のような、子供の遊び場のような……そんなレトロな空間。そこにいるのは私とあの男だけだった。

「懐かしい感じでしょ?」

近くに止まっていた動くパンダの乗り物に腰掛け、隣に座るように要求してきた。

「なんで?」

「ええから。」

私は、不思議に思いながらも隣に腰を下ろす。すると、私の肩に右手を回しそのまま、自分のいる方向へ私を持っていこうとする。

「何するんですか?!」

思わず男を突き飛ばした。すると、男はケラケラ笑いながら「その顔いいね。」と私にぶつける。

「俺のこと、知りたいんでしょ?」

そういいながら、男は自分の右手をサッと右目を覆うように充てる。そして不敵にへらへらと笑いながら私の方を見つめる。

「後悔しない?」

男の後ろで佇む満月の光が男を包み込んでいく。その時にできた影が普通と少し違う。人ではない形の影。普通なら恐怖を感じるんだろうが、私にはそんな感情はなかった。だから、男に言えた。

「しないよ。」と。

そして、男はゆっくり右手を離した。

右手を当てていたその部分は、明らかに人間ではない異形の形と色をしている。そして、男の普通じゃない影は、黒い大きな羽を広げていた。

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<湊おむーるさん
ありがとうございます。
そう言ってもらえるだけでありがたいです。久しぶりのラブファンタジーだったので、私自身も緊張しています。

作者:清田花音

2018/10/11

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湊おむーる笑……えへへ(^^♪ありがとうございます(なにが)笑……

湊あむーる

2018/10/11

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<湊あむーるさん
ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!
名前打ち間違えました。本当にごめんなさい!!

作者:清田花音

2018/10/12

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大丈夫です(^^♪ありがとうございます!!

湊あむーる

2018/10/12

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<湊あむーるさん
以後気を付けます。

作者:清田花音

2018/10/12

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とじる

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