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【R15】 15歳未満の方は移動してください。この作品には <残酷描写> が含まれています。

爺捨て山 完結

本当のじじ抜き

更新:2018/11/8

メーヴィス・クイーン

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  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/11/08)

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1位の表紙

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 むかし、むかし、とんでもないお殿様と若者がいました。そのお殿様は年寄りが大嫌いでした。 

 ある日、お殿様は、家来に国中に立て札を立て村人にこんなことを命じました。 

【八〇歳を過ぎた年寄りは山に捨てるべし。従わない家は皆殺しにする】

 誰もが、家中のものが殺されるのを恐れて、仕方なく殿様の命令に従いました。 

 さて、その村で年老いた父親をかかえた若者がおった。

「おまえさん……わたしゃ八〇歳じゃが……どこかにかくまっておくれ……」 

「父上、そんなことはできません! お殿様の命令はぜったいです」 息子は冷酷な表情を浮かべて言った。「隣の家のおばあさんも、前の家のおじいさんも、もう山に捨てられました。心配しなくていいですよ」 

 若者は、いやがる父親を背中に背負うと、山を登り、父を山に置き去りにしました。

 数日たった日のこと、お殿様と若者は老朽化した大浴場で目覚めました。足首は頑丈な鎖で繋がれ身動きがとれず、二人の間には血みどろの老爺の死体がうつ伏せのまま倒れていました。

「助けて! 助けてくれ!」お殿様と若者が叫びました。

 一瞬にしてパニックに陥った二人にかすれた男の声が聞こえてきました。

「お前たちは、ここがどこか分からないじゃろう。だから教えてやる。この大浴場で――お前たちは死ぬ」

 二人は大浴場の両側の壁が狭まったような錯覚に陥りました。

「お前は八〇歳を過ぎた年寄りは山に捨てるべしと命令している。そして、その命令に従う愚かな若者よ。わしから言わせれば、いまのお前たちの姿は哀れなドブネズミじゃ。誰かに間違って踏み殺されても仕方がないほどに――」

 聞いたこともない声は低くて割れていました。

「生き残るチャンスを与えよう――クイズは三問、全問正解すれば無事に釈放してやる――不正解だと二人とも即あの世行きだ。回答はすべてお殿様だ。覚悟はよいか?」

「わかった」お殿様はうなずきました。

「第一問 イエス・キリストが処刑される前夜、十二使徒と共に夕食の席で起こったことを描いた絵画は?」

「最後の晩餐」

「正解」

 お殿様はほっと胸をなでおろしました。

「第二問 イエス・キリストが磔つけにされた日は?」

「13日の金曜日」

「正解」

 若者は無言のまま拳を握りしめました。

「第三問 これが最後の問題だ。ホラー映画『13日の金曜日』の殺人鬼の名前は?」

「ジェイソン」

「――ぶーっ、はずれ――正解はジェイソンのお母さんでした」

「こ、こんな問題インチキだ!」お殿様は怒鳴りました。

「そうだ! そうだ!」若者も喚き散らしました。

 つぎの瞬間でした。

 血みどろの老爺の死体がむっくりと起きあがりました。

 二人の男は目をまん丸くさせました。

「このクイズに敗れた、哀れな男たちよ」老爺はにやりと笑いました。「老人を大切にしないと天罰が下る」

 老爺の正体は――若者のお父さんでした。

 老爺は鉄の扉を閉ざしながら、高らかにこう告げました。

「ゲームオーバー」

 

 

 

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1

「ウチ、久々に笑った!」
大切にしなければならないからこそ、笑いにも出来る。と感じました。
日々の苦しみを笑いに変えられる。その才能、ある。
ちなみに、一番最初の言葉は、おばあちゃんが昔言い残した実際の言葉です。

2

あふりかのそら様。じつに深いコメントを頂きました。どうもありがとうございます! 

作者:メーヴィス・クイーン

2018/11/8

3

ゲームオーバー、良い言葉です。

4

あふりかのそら様。こんな素敵な表紙を描いて頂けるなんて、じつに光栄デース! どうもありがとうございます! めちゃくちゃ嬉しいデース! 

作者:メーヴィス・クイーン

2018/11/9

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