ぼくの勉強机のいちばん下の引き出しは、サッカーボールが入るくらいの大きさで、引き出しのなかで一番広いところなので、ぼくはそこへ、タケシくんから借りた『きめつ』の全巻を入れていました。『きめつ』はとても人気なので、二日前に借りたばかりですが、明日、タケシくんに全て返さないといけません。だから、ぼくは家に帰ってご飯を食べると、すぐに部屋に入って、あけっぱなしの引き出し(いちいちあけたり、しめたりは、めんどくさいので)のなかから『きめつ』の七巻を取り出して、ベッドのうえに寝ころびながら、こうふんして読んでいました。主人公が新しい技を覚えて、強いてきを倒す。新しい仲間ができた。さらに強いてきが…続きを読む