酷い男ではなくイタい男。わたしは痛い目という程のダメージは受けていない、しょうもない話。今でもサイゼリアで喜ぶべる女だけど、もっと若くて、デートでファミレスが贅沢に思えたあの頃。デニーズだったか、とにかくドリンクバーがない店で私は食事と共にハーブティーを頼んだ。ハーブティーはポットで来るために他の飲み物より量を多く飲めるのだ。食事と共に飲みつつ、食後にもゆっくり楽しめる。無駄に健康志向だった私にはベストな飲み物。先に食事を終えた彼が「ちょっとトイレ行ってくる」と席を立った。サラダの繊維で何やら催したようだ。私はまだ食べ終わってないし、二杯目のハーブティーをゆっくり楽しんでます…続きを読む
素直子 そなこ(23)派遣OL 美数 みのり(31)作家志望の主婦 素志 もとし(29)売れない劇団員 安積実 あつみ(37)洋食屋 ZINE編集者 商吾 しょうご(41)洋食屋シェフ 整 せい(37)コミュ障絵描き 菜莉 なり(29)看護師? 那由太 なゆた(7)発達障害小学生…続きを読む
昔、女子の体操着はブルマーであった。いつの間にか消えた。どうして消えたのか、ものすごく気になって図書館で調べたことがある。どうして消えたかと言うより、続けさせられていたことを知り気持ち悪かった。女性の声が届かなかった象徴のように思える。興味のある人は独自に調べていただきたいが、ざっくりと。戦前の「ちょうちんブルマー」ではなく、戦後の東京オリンピックを境に普及した「ぴったりブルマー」昔のバレーボール選手のユニフォームみたいなショーツ型のあれ。体操着となると紺色が定番だけど、あれって、スカートの下に履くカバーパンツだよな。もはや下着だろ。あれを女子に着させて体育の授業をさせる時…続きを読む
今日で3月も終わり。私ったら、月の半分はオミクロンさんのせいで家に引きこもってNHKラジオばかり聞いて過ごしていたの。朗読の時間に太宰治の『女生徒』をやっていたので、そういう感じの語り口調で日記を書いてみようかなって思ってしまった。一文が長すぎて文章が下手な人だと思われないかしら、それも面白いわ。うふふ。私の平熱は36度前半で時々35度台、インフルエンザでも熱を出さないので、37度台が出て喉が少し痛かったので、おや、これは怪しいなと思い3回目の予防接種を翌日にひかえていたので、一応抗原検査をして貰ったらくっきりと線が出てしまった。PCRは時間がかかるから精度が低いと言われているけど抗原…続きを読む
「その服、君らしくないね」この間、彼に言われた言葉が魚の小骨のように引っかかる。何もかも面倒くさくなり、夕飯に一人マックに来た。キレイな人の生活を真似してファーストフードはひかえていたのに、誰のためにキレイになるのか分からなくなってきた。ある種の自傷行為なのか。気持ち悪くなるくらいポテトを貪り食べたくなった。夕飯時のマック。わたしのようなお一人様OLや学生が結構いる。隅の席に座って店内を見回した。窓際の席に制服姿の女子高生が三人楽しそうに話している。わたしもあんな時代あったなーと思いながら見ているが、なんとも言えない違和感を抱いた。ん?何かが違う。わたしの高校時代とは違…続きを読む
〇RAYARD MIYASHITA PARK・施設内自由と活気のあふれる、渋谷の商業施設。多くの若者たちが買い物を楽しんでいる。あなたは立ち止まり、ぼんやりと白いパネルを眺めている。後ろから男が声を掛けてくる。男「次は君の番だ」男、買い物袋を提げている。あなた「何、買ったの?」男「受賞作が載ってる今月号」あなた「嫌がらせ?」男「……」男、袋から文芸雑誌を取り出す。あなた、雑誌を奪をうとするが、かわされる。あなた「わたしの名前が載っていない知ってるでしょ」男「(大声で)いつか載る。書き続けろ!!! 」あなた「なんでよ」男、微笑む。屋上に出るふたり。…続きを読む
「こういうの、ムカつくわ」コーヒーサーバーの前で一人、ゴディバのチョコレートを見つめてつぶやいた。「GODIVA」の高級そうな紙に包まれた四角いミルクチョコ。1個いくらすんだろう。ポケットに忍ばせたセコイヤチョコレートを取り出し、バナナみたいに乱暴に向いてかじる。ゴディバを見ながら安いチョコを食べる。「セコイヤ、うまっ」ゴディバは、わたしと同じ契約社員のおばさん、遠藤さんからもらったお返しの品。「同じ」は契約社員のみにかかっている。遠藤さんは高校生の息子と中学生の娘がいるそれなりの年齢だが、わたしは独身。わたしは、おばさんではない。まだ。うん。思わず溜め息をつく。「もぐ…続きを読む
梶井基次郎が好きだ。いや「檸檬」が好きだ。京都の丸善が一度閉店になった時、東京にいるわたしは夜行バスに乗って爆弾をしかけに行った。「檸檬」好きには有名な話だと思う。京都の丸善書店の美術書の棚に爆弾と称した檸檬をしかける。爆発すると想像するだけで心躍るのだ。閉店間際、何個もの檸檬が置かれたそうだ。あの中の1個はわたしだ。何かを表現したいけど何も面白くない、自分をどうにかしたい時の自分に似てる。爆弾をしかけたい。そんな時期が周期的に訪れる。自分がモノカキだと思う瞬間でもある。それを繰り返してるから、書き続けているんじゃないだろうか。檸檬味。どこか青い雰囲気も、永遠に抜…続きを読む
欠勤した理由ですか、宗教上の問題です。申し訳ありません。宗教って言っても、あの社会の教科書に出てきて違いを覚えなきゃいけないメジャーなやつでも、なんか怪しげな壺買わされたりする新興系でもないです。宗教って思ってるのはわたしだけで、流派っていうか、生き方の指針っていうか、まあ緩い自己啓発系ですね。でも自己啓発って心酔しちゃうと新興宗教みたいなもんでしょ。で、わたしは心酔したわけではなくて、むしろ逆ですね。そいつらにメンタルやられて、休みました。じゃあ宗教上って言わないか、でも三文字で表現してみたかったんです。どんな宗教かって?ああ、先に言っておきますけど「それはお前がひねくれてる…続きを読む
school children school counselor school caste笹川知香(Sasagawa Chika)は中学校でスクールカウンセラーとして働いている。不登校やいじめ問題など、目立った問題はおきていない。しかし、それは厳格なスクールカーストで統制され誰も声をあげられないからだという説がささやかれている。一部の教師から名が上がったカーストの頂点に君臨する、3年の瀬野蝶子(Seno Chouko)。学校の心の相談室スクールカウンセラーの知香のところへ、彼女自らカウンセリングを求めてきた。「失礼します」優しくやわらかな声と共に蝶子が相談室に入ってきた。…続きを読む