お酒を飲んで、酔っ払って、夜道を歩いて、家に帰る。玄関横にある鍵置きに鍵を置いて、電気をつけて、靴を脱ぐ。マフラーをとって、コートを脱ぎながら、部屋に向かう。窓を開けて、防犯ためにシャッターを下ろす。ベットに腰を下ろして、テレビを付ける。冷えた左手をよそにまだ暖かい右手を伸ばす。「突っ立ってないで座りなよ」暖かい左手を握り、隣の体温を確かめる。買ってきた缶酎ハイを開けて、対して興味のないテレビを見ている振りをして、たわいもない、色気もない、こんな事は慣れていると言わんばかりに、お酒の失敗談を話して、あぁ今日も結局飲んじゃったなんて、あなただけじゃないこ…続きを読む
なんとなく、なんとなーく気分が落ち込む夜がある。あの発言はだれかを傷つけただろうか。あの話は引かれたんじゃなかろうか。あの人に嫌われてるんじゃなかろうか。とか。そんなものは取り越し苦労で、だいたい夜のせいだし、ホルモンバランスのせいだし、ビールは美味しい。あの人からLINEの返信が来ない時間を深読みしたり、本当は明日のご飯行きたくないんじゃないかとか、今日私の息が臭かったんじゃないかとか。とりとめもない、本当にとりとめもない不安や心配を、ひいてはまだ起こってもいない未来を憂いて泣きそうになる胸の曇りを冷静に冷静に自分の脳が作り出したものとして、頭の中で泥団子みたいに…続きを読む
「成長」「努力」「やる気」は正義なのだと思う。義務教育でも散々教え込まれて来たし、大抵、人気の漫画やドラマは、夢とか目標を持った主人公が紆余曲折を超えて成長していく物語である。好きな言葉は「他力本願」、嫌いな言葉は「責任」と「一生懸命」、できれば一生働きたくない私でさえ、就活の時にはこの単語を使い倒して来た。「御社に入って成長したいです!」「コツコツ努力することができます!」「やる気だけはあります!!」本心では全く思ってないがこう言うのが正解だと知っていたし、こう言わないと今の社会では就職できないことも知っていた。新卒で知識0スキル0の私に「成長」「努力」「や…続きを読む
私が本当に人生を舐め腐っていたなら、もうすでに仕事を辞めて、親のすねをかじりながら、クーラーの効いた部屋でビールを飲みつつ、ヒルナンデスを見てるはずだった。いや、そもそも就職という選択肢を取らなかったと思う。しかし、人生を舐め腐ることは尋常ならざる精神力が必要だ。世間の目、自立して働いている友人からの目、年老いていく親からの心配の目、、、年齢が高まるごとに私の価値は私だけでは決められなくなる。人生を舐め腐るには、これらの「目」を跳ね返す屈強なメンタルが必要なのだ。座右の銘は「他力本願」、嫌いな言葉は「責任」と「一生懸命」。週3以上、人と会ってるとストレスでヘルペスができる私にとって、…続きを読む