A「10分か……そうだ、しりとりしようぜ」B「おう、いーよ、じゃあ、しりと『り』」A「リス!」 (決まった!次は……)B「水曜日」A「……。ビーフ!」(今度こそ!)B「ふ? ……古着」A「うん、銀行」(上手くいかねえ……)B「う? う……海」A「あのさ……まあ、そんなすぐに出しても、な……。み、未曾有!」B「またうかよ。う、運慶」A「……イス」(こいつふざけてんのか?)B「す、スーパーマーケット」A「……豆腐」B「ふ? なんかさっきから『す』と『ふ』と『う』しか出してなくね? 何か言わせてえの? 一文字攻めはずりいからなしにしようぜ。…続きを読む
『幸せって、なんだと思う?』数年前、彼女の言っていた言葉。今になって、どうして夢の中に出てきたのだろう。『そんなの、 ──だろ?』俺はなんと返したのだっけか。覚えていない。いつものような、隣り合っての下校の最中の、取り留めもない会話だったから、特に深く考えもせずに答えたような気がする。今でも、大した答えを出せる気はしないけれど。どうせ意味の無い夢だ。そう切り捨てて、とりあえずベッドから起き上がって、部屋のテレビをつけた。ニュースがやっていた。二年前に、東京全体を賑わせたオカルトめいた事件についてだった。どうやら、犯人が見つかったらしい。俺は慌ててテレビの目の前に行…続きを読む
インターネットで検索しても歌詞が出てこなかったので、耳コピで作成しました。歌詞を見ながら物語を考えたい人、どうぞご利用ください。最優秀賞目指して頑張りましょう!(途中の「This is LOVESONG」などの合いの手は省いております。耳コピですので多少の間違いご了承ください)二人並んだ駅からの帰り道一緒にいたくてゆっくり歩いた今はただ思い出すだけで季節は過ぎて何処からか春の気配暖かい風が私を包んで余計に切なくなった失って気づくなんてそんなの言い訳だよね右隣ずっと感じてた温もりはもう二度と戻らないあなたのコートのポケットの中で繋ぐ手と手愛し合った毎日が忘…続きを読む
『時計の長針と短針の比は5:3って決まってるらしいよ』『(それっぽい嘘)』友人から送られてきたLINE。急にどうした。やり返そう。「セブンイレブンて本当は7 時から11時って意味じゃなくて、創業者が7月11日生まれだったのが由来らしいよ」「(あからさまな嘘)」『仮面ライダー2号は1号がバイクで事故ったから急遽できたらしいよ』『(嘘っぽいホント)』「ガンダムのアムロ・レイって零戦の番号のA6Mと、ゼロを合わせて作ったらしいよ」「(本当に見せかけた本当)」『今日の晩御飯寿司だった』『(嘘みたいな本当に見せかけた本当のような嘘じゃない本当)』「明日の朝…続きを読む
かの有名な昔話、桃太郎を聞いたことがない人は日本人ならば一人たりともいないはずですよね。 しかし、一応こうして小説家を名乗っている今の僕からしても、桃太郎ほど難解な話には一度も出会ったことがなくてですね。 先ず、桃太郎は慎ましく暮らすお爺さんとお婆さんの馴れ初めの回想シーンから始まります。 嘘です。 お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました、ですよね。 お爺さんが山で一体どんな壮絶な物語を歩んでいたかは知るよしもありませんが、お婆さんは川で洗濯をしていると、どんぶらこ、どんぶらこ、と、桃太郎桃が流れてきます。 どんぶらこ、とは一体。 まあ、それは置いとい…続きを読む
学校の人気者で、バスケ部の先輩に彼女がいるらしい。そんな話を私が聞いたのは、怒り狂う大気が傲岸不遜に町を襲いかかるような暑い夏の日だった。そしてその先輩は、私が(皆には内緒だけれど)思いを寄せている先輩だった。え……?嘘、どうして、そんな。「っ、その話、誰から聞いたの?」私は、震えそうになる声を、女優の如く必死に誤魔化しつつ、友達の瑞希にそう聞いた。「んー、私も伝聞だからよくわかんないんだけど、なんか最近先輩の態度が変わったんだって。本人が言ってたって噂もあるけど」後頭部を鈍器のようなもので殴られた気がした。「ふ、うん。だ、だ、誰だろうね、その彼女って。あ、…続きを読む
……。…………。……………………。…………………………。いやいやいや。あのさあ、あたかも、やばみとかつらみとかが現代の流行語みたいに扱ってるけどさあ、それ、東京だけだから!もっかい言うよ、東京だけだから!実際、正に華のJK(若しくはDK)である私も、最初お題を見て「ん?」ってなったもん!本当はJKとかDKとかいう略語にすら違和感を覚えるよ!え、ドンキーコングがどうした? って感じだよ!それは私が疎いだけかもしんないけど! てかその可能性は考えたらおしまいな気もするけど!兎に角、東京から離れた〇〇県では「やばみ」とか…続きを読む
人生において、罠でない、何の目論見も下心も野心もない心清らかな瞬間など存在しない。例えば、今。鎌垣 星とかいう巫山戯た名前の小説家気取りは、就寝前のこんなたった一言で拍手をもらおうと画策している。しかし、鎌垣 星がこのサイトで執筆している時点で運営者の思うままで、彼または彼女も同様に罠に嵌っているのだろう。しかし、サイトの運営者も検索サービス等の会社に利用されているのであって、一方的に罠を仕掛けている訳では無い。そうやってどんどん進めていけば、結局罠にかかっていない人間などいないのだろう。上の立場の者も一様にまた誰かの罠にかかっているのだとすると、やもすれば自分…続きを読む
四時間目の終わりと自由への解放を告げる鐘の音、そしてざわざわと無気力に響く挨拶を聞き流して、私はスマートフォンを取り出した。ここ数週間の習慣になっているので(駄洒落つまんな、本当に小説書いてるのか、私?)、慣れた手つきで長方形を操作し、例の赤い帽子のキャラのアイコンをタップ。──しかもこのくだり少し前に書いたな。「今日のお題は、『歌舞伎町に染まる』ね。……ふうん」なんだか珍しい感じだな、と思った。具体的に『歌舞伎町』という地名を示しているのだから、歌舞伎町ならではの物語を再現しなくてはならないのかな。それとも、敢えて歌舞伎町のイメージと真逆や、全く関係のないところを攻めるの…続きを読む
バカ。ぺてん師。才女。優しい人。傲慢な人。安全主義。リア充。生き急ぎ。実力主義。陰キャ。ラッキーボーイ。真面目。努力家。殺し屋。完璧主義。信用ゼロ。アンラッキーボーイ。インスピ命。うつ患者。天真爛漫。……。祝福と罰を司る管理人であるところの私こと『審判』が、こんな奴らよりも後ろに位置するのはどうしたことか。…続きを読む