ふとした時に過る景色があった。それは、処刑台。そして、自分の首が切り落とされる瞬間。なんでこんなものを見るのか、勿論いい気はしなかった。いつか見た映画のワンシーンが勝手に何度も脳内再生されて、自分が首を切り落とされる映像のように錯覚してしまったのか。もしくは前世の自分の最期を映したものなのか。とにかく、あまりにも非現実的なことのようで、自分の身に起こり得ることだとは夢にも思わなかった。今なら分かる。本当は、きっと予知していたのだ。何処かで抱えていたはずの、罪の意識が見せた未来だった。僕は死んだ。そしてまさに今、あの処刑台に立っている。不思議なことに、ここに立っ…続きを読む
英検のスピーキングテスト、もうすぐ自分の番が来る……。入室から退出までの流れは一応調べてきた。入室時は扉をノックして「May I come in?」と言う。入室したら、試験官からいくつか質問を受けたり、会話したりして、退室時には「Thank you.」とか「Goodbye.」とかそれっぽい挨拶をする。ちゃんと勉強してこなかったけど、まぁ自分ってそんなにテスト勉強とかしてこなくても何とか乗り切れちゃうタイプだし?とか思いながら、扉をノックする。トントン私「めぇいあいかみん?(*May I come in?)」発音はちょっと悪い気もするが、まぁいいだろう。試験官「Yes,…続きを読む
まわってまわりまわってもどってまわって目もまわって思うままに舞えなくなったまた舞ってころんで涙がでてそれでも立ちあがってまたころんで誰も気付かなくてぼく一人輪からはずれても輪舞はつづいた見えた分かったくだらない輪舞だったもどれないしもうもどらない独りで舞うそう決めたいつまでも舞えるそんな気がした…続きを読む
おはようございます、こんにちは、こんばんは、Unaと申します。今更と言うほど、長くモノガタリーに居座っているのだろうか?……最近はあまり投稿できていないし、自己紹介するほどでもないですが笑…あらためまして、自己紹介いたします。小さい頃から、多分絵を描くのが好きでした。好きこそものの上手なれ、これからも沢山絵を描いて上達できたらなぁ、老後の趣味にしたいなぁ、などと思っております。最近は、音楽を聴くのも好きです。主にJ-POPで、いろんなアーティストさんのいろんな曲を聞きます。今好きな曲は、ヨルシカさんの「ただ君に晴れ」と「春泥棒」です。あと、少し古い曲ですが、ZARDさんの「あの微笑…続きを読む
"あなたが足りない"鏡越しに見える私は歪んでいた。始めは幸せだった。出会って、付き合って、結婚して、自分なりの幸せを手に入れたつもりだった。この幸せが壊れるなんて夢にも思わなかった。だんだん、あなたは家に帰らなくなった。私はいつも信じて待っていたのに。数日ぶりに帰ったあなたの真っ白なシャツからは、穢れた甘い香りがした。いつから壊れ始めたかなんて、分からない、知りたくもない。でも着実に、私たちが積み上げてきた何かは音もなく崩れていった。私は変わった、でもそのきっかけを作ったのはあなた。私にあってあなたに無いものは"想い"。あなたに…続きを読む
路上に落ちている財布。周囲には人も見あたらないし、今なら……盗るなら今しかない。そう手を伸ばした先に微笑んでいたのは、いつもの天使。俺が悪事を働こうとするといつも現れる。「ねぇ、盗っちゃうの?」「あっいや……交番に届けようと思って」「まぁ僕なら盗っちゃうかもな~」「え?」「いいんじゃない?盗っても。神様の贈り物かもしれないしさ。まぁどうせ君は、僕がいなくなったらすぐさまそれを盗って、スキップしながら家に帰るんだろうからさ。どうせ、僕が『盗るな』なんて言っても聞かないだろ?僕なんてしょせんその程度の天使さ。だぁれも僕の言うことなんか聞いて…続きを読む
僕には今世の記憶と前世の記憶がある。前世では女だった僕は、今世では男。前世では男だった君は、今世でも男。前世では恋人同士だった僕らは、今世では友達同士、歳も前世のときより離れていて、 僕はおじいちゃんで君は子供。お互いの関係は変わっていくけど、僕らは相変わらずお互いのことが好きだ。運命かは分からないし、きっと僕の心の奥底にしまってある君との一番古い想い出も、時の流れに薄れていくことだろう。でも、君を前世よりもずっと前から知っている気がする。だから来世でも来来世でも僕は必ず君と出会うはず。古い想い出が消えても、新しい想い出を塗り重ねてゆければいい。そ…続きを読む