朝起きると、そこに彼女の姿はなかった。でもそれでいい。ほのかにルージュの香りがする。まだ隣にいるように思えるのは、きっとこの香りのせいだろう。今なら、僕たちが一緒にいるのは間違いだったとはっきり言える。だからこれでいい。…続きを読む
……ねぇねぇそこのあなた、「えっ?私?」そうよ、あなたよあなたの後ろに何かついてるわ「えっ…?」あなたの家からずっとついてきたみたい…「えっ何?なんだか悪寒が… なっ、何がついてるんですか…?」何かって?それはね………(おもむろにハサミを取り出す女…)「えっ、何…?何するんですか!?」チョキンはずし忘れた服の値札よ「えっ、あ、ありがとうございます」(普通にいい人だった…)…続きを読む
五月ってたしかに、何となく気分が優れなかったり、やる気が出なかったり……きっと自分の周りの環境が変化したりするからなんでしょうね…でも私、思うんです五月の憂鬱を五月病と思った時点で負けだと。何かに負ける気がするんです(?)五月じゃなくても、憂鬱な時はあるから、五月病なんて無い…いや、そんなことはないんでしょうけど、私より憂鬱な人はいくらでもいるでしょうからね…。何とも言えないですね…。まあでも能天気な私の場合、「五月病に克服方法は無い、 そもそも五月病なんて無い」という感じでやっております。憂鬱な時は、先のことは一旦置いといて今日やらなきゃい…続きを読む
桜の花びらさーっと舞って落ちていく僕は花筏になりたい川に落ちたら花筏になれるたゆたえども沈まず流れに身を任せたい僕はらりまたはらり隣の木の花びらが川へひらり僕も落ちたけど着地点は地面だった誰かが僕を踏みつけるまた踏みつけられた花筏はきれいって言うくせに道端に落ちてる花びらは平気な顔して踏みつける花筏になれなかった僕は風を待つ…続きを読む
どうも、セリヌンティウスです。この度は「身代わりといえばあの人ランキング」の一位に選ばれたということで、非常に光栄なことでね、誇らしく思っております。やっと、私の功績が評価されたということなのでしょうね。えー、正直に申し上げますと、あの有名な物語の中で最も評価されるべきなのは、私ですよ。危うく死ぬ寸前でしたよ、ほんと。あの出来事があってから、私は疑心暗鬼に陥りました。まさか、まさか、信じていた友人があんなにぎりぎりに来るなんて。しかも、後から聞いた話だと、彼、途中で諦めかけてたらしいじゃないですか…。友人が来てくれた時はなかなか感動しましたけれどもね、…続きを読む
「なあなあ、このフィギュアをさ、 魔改造したいんだけどよ… お前手先器用だし…できるか?」「マカイゾウ?あー分かった! 任せとけ!」数日後、、「できたぜ!これでどうだ?」「なんだよこれ…」「俺特製の魔界ゾウに変身させたぞ… この牙とか鼻とか、結構良い感じだろ」「……うん、そうだな…?」「…あっ!そうだ。俺さ、これ作ったらなんだか創作意欲湧いちゃってさ…。他のも魔界ゾウにしてやるよ!」「えっ?あっ、ちょっとそれは…」「お?これとかいいんじゃね? 形が魔界ゾウにしやすそう…」「あっ!それはっ… 俺の一番お気に入りの…(Monogatar…続きを読む
お母さんへ今までは照れくさくて、ありがとうの一つも言えなかった私、ちゃんと母の日に感謝を伝えるのは今回が多分初めてですね。あらためて、お母さん、いつもありがとう。でもこんな言葉、言おうと思えばいくらでも言えたんだって今更ながら思っています。素直になれない私は、母の日なんて、感謝ぐらい言葉にしなくても伝わっているだろう、と今まで思っていました。だから、母の日なんて、私には関係ない。母の日なんて大切じゃない。でも、そうじゃなかった。母の日はきっと普段素直になれない私みたいな娘、息子たちに素直になって感謝を伝えるチャンスを与えてくれる、そういう…続きを読む
いつまでが子供でいつからが大人なのか、その区別をするのはなかなか難しい。一定の年齢でばっさり大人と子供を分けるというのも少し違う気がする。とある国では、このことが長い間問題になっていた。そこで政府は、この問題を解決するべくある打開策を考えた。それが、"大人認定テスト"である。大人の常識を問うテストで、年齢制限は無い。一定の点数以上をとった者は大人として認定される、という極めて単純なものである。政府は国民全員を対象にこのテストを行う前に、政府内で模擬テストを行った。しかし、ここで問題が起きた。ある大臣が模擬テストに落ちてしまった。国を引っ張るリーダーの内…続きを読む