主に「本日のお題」のところに生息しています。なかなか読んだりコメントできずスミマセン…
文章力無し・表現力無し・語彙力無しの初心者ですが、気軽に読める超ショートショートにチャレンジ中です。
こんなヒヨッコにリアクションくださる方にはいつも感謝しています🐣
★オススメに掲載していただきました。
'21/8/30 妻とスイカを食べた話
https://monogatary.com/story/265953
'21/11/1 初恋はめっちゃ苦い
https://monogatary.com/episode/296170
'21/11/15 中国故事っぽいやつ
https://monogatary.com/episode/302839
'22/1/10 人類初になりたい
https://monogatary.com/episode/326236
感謝しかありません🍉☕️🚥🧟♂️
「セイカのインスタ見たよ!リストランテ・マ・ダーム行ったんだね!」「そうなの!?あそこ予約取れない超人気店だよね」「すごい!!どうだった??」「めちゃくちゃ美味しかったよ!お料理もワインも本格的だけど親しみやすい味というか」「えーいいな!行ってみたい」 いつものメンバーの女子会。常連になっている創作居酒屋で今日もトークが盛り上がる。「でもさ、あそこ結構高級店じゃない?」「確かに。気軽に行ける感じのお値段じゃないよね」「セイカ奮発したねぇ」「あ、えと、全部リョウ君が出してくれて…」「また!?いつもじゃん!」「リョウ君すごいね。羨まし〜〜!」「愛されてるぅ!」 友人…続きを読む
向こうから歩いてくる女性と目が合った。きっと彼女だ、間違いない。僕は軽く会釈した。「こんにちは。はじめまして。えっと…渡辺ミサさんですよね」「あ、はい、そうです」「僕、多田ヨウスケといいます。よろしくお願いします」「よろしくお願いします」 遠慮がちに視線を落としながら女性は軽く頭を下げた。彼女もきっと僕と同じで、初対面の相手との会話があまり得意ではないのだろう。「では、行きましょうか」「はい」 僕とミサさんは並んで歩き始めた。「いい天気ですね」「そうですね」「…」 ぎこちない会話、そして沈黙。 ああやっぱり僕はトーク力をもっと磨くべきだな、とあらためて痛…続きを読む
「このオレンジ色が…」「サーモンです」「では、この赤は?」「ツナです。マグロですね」「で、これは…」「シュリンプ。海老です」「なるほど」「あとアンバージャック、カンパチもあります。この4種類です。私のイチオシはサーモンです」「……」「いかがでしょうか?」 ドキドキ。 ドキドキ。「不採用」「えーーっ!!」 部長のドライな言葉にショックを受ける私。せっかくここまで頑張ってきたのに…「確かに『他社の類似品との差別化を図れ』とは言ったけど、こういう意味じゃないのよ。考え直してきて」 自信を持って提出した企画書があっさり撃沈し、私はとぼとぼと部長席を後にした。…続きを読む
クローゼットの扉を開ける。五段チェストの最上段を引き出す。左側の一角、覆っていたハンカチをひらりとめくるとそれは姿を現した。(やっと出番がきたっ) 上品で繊細なレース、華やかなデザイン、さらりとした風合い──勝負下着だ。 28歳、仕事に明け暮れている私に久しぶりに彼氏ができた。戸塚ヒロヤ、同い年。家電メーカー勤務の営業職。特に高収入でもハイスペックでもないが、頭の回転が速く気さくで穏やかな彼は私の自慢だ。 ヒロヤとは後輩に誘われて参加した飲み会で出会った。 「母親が同じ県出身」というささいな共通点をきっかけに意気投合。毎日のメッセージのやり取りで急速に仲良くなり、3回目のデ…続きを読む
学歴昭和48 3 真妥務高校 卒業平成10 4 真妥務医科大学医学科 入学令和3 3 真妥務医科大学医学科 卒業採用担当「あなたど〜〜しても医者になりたかったっぽいけど、本当にうち(シルバー人材センター)でいいの?」…続きを読む
「これはさすがに…やりすぎじゃないですか?」 僕は思わず反論した。 しかし学年主任の竹内先生は首を横に振る。「最近は不適切表現だのコンプラだの敏感な時代だから。いくら中学の文化祭の演劇とはいえ、笑って流してくれる保護者だけじゃないよ。下手したらPTA通じてクレーム来るんだから」「でも…この台本は…」「別に演劇自体をダメって言ってるわけじゃないんだから、それが最大限の配慮だよ」「とはいえこれだと臨場感が…」「教育現場で殺人を連想するワードは避けるべき。たとえ文化祭であっても」「……」 何も言い返せない僕は、クラスの生徒にどう説明しようかと悩みながら職員室を後にした。…続きを読む
漫画やアニメでは、敵の属性を持っているキャラがしばしば登場する。・妖怪を倒す立場なのに自分も妖怪・悪魔祓い師が悪魔の血を引いている・鬼狩りなのに鬼の能力を持っている・怪獣なのに怪獣討伐隊の一員 などなど、新旧多数の例が存在する。 そしてそういったキャラが、敵属性の力を制御できずに自分を見失ったり力に飲み込まれそうになったりするのもよくある展開だ。***「おおおおおお…!!」 俺は震える右腕を左腕で押さえつけた。身体を丸め、胸で抱えるようにして制御を失った右腕の動きを封じる。「止まれ、止まってくれ…!!」 俺の中には敵の魂が宿っているが、これまではうま…続きを読む
雲行きが怪しくなってきた。 俺は窓際から空を見上げる。もくもくと発達した入道雲がこちらの世界を見下ろしていた。猛暑日のはずなのに、さあっ、と急に冷たい風。間違いない、夕立の前兆だ。「おーい!夕立が来そうだぞー!」 俺はリビングにいる妻に向かって声を張り上げる。しかし妻は来ない。聞こえないのだろうか。「おーい!雨降るぞー!」 再度の呼びかけにも、妻の反応はなかった。 ぽつ。 雨粒がひとつ、俺の腕にぶつかってはじける。もう時間がないことは明らかだった。 俺は急いでベランダの洗濯物をかき集め、両腕で抱えて窓際に寄った。本格的に雨が降り出したのはちょうどその時で、まさ…続きを読む
テレビをつけたらトーク番組で芸人たちがワイワイ話していた。 テーマは「思わずゾッとした話」『で、あとで確認したら、一人足りなかったんですよ』『えー!』『こわっ!』 出演者は盛り上がっているが、まあまあよく聞くありきたりな心霊エピソードだった。「しょーもな」 俺は吐き捨てるように呟くとリモコンを手に取り番組表に切り替えた。 その時──。『今、誰か「しょーもな」って言った?』 パソコン画面の向こうで上司が怪訝そうな表情を浮かべていた。 リモート会議のマイクがオンになっていたことに今更気付く俺。『山内、もしかしてテレビ見てる?』…続きを読む
ダメだ…どうしても書けない… 私はパソコンを閉じた。 隣で作業していたナナが顔を上げる。「どうしたの?調子悪い?」「うん…書けなくて…」 ナナと私はモノカキ仲間であると同時に賞を狙うライバルでもある。 次のコンテストも一緒に応募しよう、そう決めて執筆に取りかかったのだけど…全く筆が進まない私は途方に暮れていた。「そこまで完璧なシナリオあるんだから、あとは文章にするだけなんじゃないの?」「そうなんだけどさ…」 パラパラとノートをめくる。そう、ナナの言う通り、このシナリオを物語の形にすればいい。それはわかっている。けれど…「やっぱ私、別の書くわ。このシナリオはもう…続きを読む