monogataryと出会い、人生が大きく変わってしまった……不思議な恋愛エッセイを不定期連載中。
『monogatary恋物語』
https://monogatary.com/story/69067
モノコン2019では優秀賞を頂きました。
ノルウェーの民間伝承を素材にしたファンタジーです。
『フルドラの涙湖』
https://monogatary.com/story/38012
2019年1月から物語を書く楽しさを知りました。
現在、もっと面白い話を、もっと上手な文章を書けるようになりたいと向上心が出てきました。
日々勉強です!
感想だけでなくアドバイス、ご意見、ご指摘などもございましたらズバッとコメントよろしくお願いします。
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立春二十四節気では今日が一年の始まりであり春の始まりでもある。2022年は良い年になる気がするぞ!期待と希望をもって始まった1月は年末年始の不摂生がたたって持病が悪化。なんだかスタートダッシュで転んでしまったような気分。がっかり。でも大丈夫。何度でもやり直せばいいのだ。そんなやり直しにもってこいなのがまさに今日の立春。計らずも今日がちょうどファスティング明けと重なった。7日間の断食と昨晩の梅流しなるお腹のお掃除ですっからかんになった体に染み込む玄米粥の美味しさはなによりも体が喜んでいる証。本当は春の山菜とお魚で豪華にお祝いをしたか…続きを読む
いつの頃からだろう。やつは常にそこにいた。 やつは輪郭の定かでない大きな黒い影。俺の背後にぴったりと張り付き、音もなくうごめいている。俺はただ、その存在を感じるだけであって、それ以上のことは何も知らない。もちろんその姿を見たことは一度もない。 幼かった俺はやつが恐ろしくてたまらなかった。 何度も振り返ってはその正体を見定めようとしたり、何度も駆けだしてはその影を振り払おうとしたこともあった。 ある程度成長し「死」という概念を言語として考えられるようになったころに、やっと自分を悩ませていたその正体は「死」なのだと理解した。 俺は別に病気でもなければ、死にかけたこともなかったし…続きを読む
高揚した人々の心と、打ち上げられた花火の爆音が共振して空気を震わす。大輪の花が夜空に咲き乱れ、それは一瞬にして散ってゆく。「その時、深い孤独を感じるの」彼女は花火大会へ向かう新幹線の中でそう言った。新型コロナウィルスが発見され感染が拡大していくと共に社会は一変した。目に見えないウィルスは体のみではなく、心へも侵入してくるのだと知った。それに気づくのが遅れたのは、当たり前だった日常が当たり前に立ち行かなくなり、その混沌に対処することに精一杯だったから。未知なる驚異に、不安や恐怖が空気を震わせ蔓延してゆく。あたりを見渡せば「皆同じ」今年は誰も夏の夜空に…続きを読む
【醤油】Hey yo yo...yo...ソース?Ha-バカ言ってんじゃねえお前イッてんじゃねぇ?俺は日本男児醤油に賛辞彼女の作るアツアツ朝飯炊きたて白飯目玉焼きにはHey show meHey show youYeah 醤油!決まってんだろ?大和魂響くうまさヤマサのヤバさのキッコーマン喰らう俺はスーパーマン彼女一筋醤油一筋それが男の一本気太くて硬い俺のシンボルHey show youYeah 醤油!ソース?Ha-バカ言ってんじゃねえ。お前イッてんじゃねぇ?魂売ったお前は抜け殻スカスカの体に流し…続きを読む
今天界で流行りの地球TVというものをご存じだろうか。かつて、天界で誕生した魂は天国での豊かで平和な世界に飽きを感じるようになっていった。そこで神様は体験型アミューズメントパーク「地球」をお創りになった。魂は天界での記憶を消去した状態で地球に生まれ、そこで様々な感動を得るという遊びに夢中となった。これにより地球へ転生を望む魂が殺到したのだ。魂は下界に下り、肉体のある命を全うしたら天界へ戻り魂を癒やす。そして再び、下界に向かうを繰り返していた。それを輪廻転生と呼ぶ。アミューズメントパーク「地球」は思わぬ良い結果をもたらした。地球に何度も生まれた魂は成長するようになったのだ。…続きを読む
とある結婚式が行われる大安吉日の日。新郎コタは新婦アカリのいる控室へと向かった。アカリの美しいウェディングドレスの姿を褒めるなど、それは一見、式を控えた新郎新婦のごく普通の風景からはじまる。しかし、読み進めていくにつれ、この日に辿り着くまでの二人の壮絶なドラマがあったことを知る。多くを語らず、多くを伝える描写力。固定概念を覆す深みのある胸キュンラブストーリー。私はこの話を読んだ後「誰かを想うってなんて素敵なことなんだろう」「愛を信じる勇気ってかっこいい」と幸せな余韻に浸れました。愛する人を想うがあまり、不安になってしまうことってあるよね。愛されることを全て受け取ることは…続きを読む
生まれながらの醜さ故に両親からも捨てられ「呪われた子」と忌み嫌われる独りぼっちのマルタ。選ばれた者「星屑の子」である、重い運命を背負った天女のように美しい少年、セネブ。セネブと想いを通わせるが、決して結ばれることは許されない深い悲しみを心に秘めた優しいベラ。『星屑の子』は運命に翻弄されるこの三人の心の純粋さと葛藤を描いた物語である。児童文学的な読みやすく、わかりやすい文体。ファンタジーならでは神秘的な世界観や美しい描写。少年少女の透明で真っすぐな想い。とっても軽やかで、ストーリー展開も面白いの!小さい頃ファンタジーばっかり読んでた私は、その時のわくわく感が蘇りました。…続きを読む
里穂、聡、麻美、隆弘、健治の5人は、高校時代の同級生だった。隆弘が旗を揚げ、仲の良かったメンバーを集めてリモート同窓会を企画したのだ。約束の金曜日、夜七時、パソコン越しに久々に顔を合わせる面々。友との再開を喜ぶように、姿の変化や近況報告など、その会話は同窓会としてありふれたものだった。少し遅れた健治は、移動中にビデオ通話に参加した。それを皮切りに、このリモート同窓会に不穏な空気が流れはじめる。何かに怯えるように聡にメッセージを送る麻美。――『やばいかも』――『ケンジが今歩いているところ』――『私の家のすぐ近くなんだけど』…続きを読む
我々は……なんて素敵な言葉だろう我々は……なんて幸せな言葉だろうへその緒が切り離されたその先で一人裸で寒さに震える母の優しい温もりは私は一人でないのだと守ってくれた我々は……なんて便利な言葉だろうか我々は……なんて不安な言葉だろうかいつも居場所を探し求めたその先でどんどん私が消えてゆく揺蕩う私の存在は首に絡む紐の苦しさだけが教えてくれた我々は……なんて恐ろしい言葉だろうか我々は……なんて残酷な言葉だろうか複雑に絡まる紐を解て辿ったその先で母の胎内に辿り着く鋏持つ震える手は裸で寒さ…続きを読む
人間の指はそれぞれ、5本、左右合わせて10本というのが常識と言うのなら、それぞれ、6本、左右合わせて12本の指を持つ私は非常識な存在と言える。非常識、つまり私は特別な存在と言えるのだ。私のそれぞれ1本多いこの指は「神からの贈り物」であり「幸運」をもたらしてくれた。現在、私は「奇跡の12本の指のピアニスト」として注目され、プロのピアニストとして活躍している。※※※私は多指症として生まれた。胎内で指を形成する過程に先天異常がみられる病気である。幼い頃は、一人より指が多いということ全く気にしていなかったが、小学校に上がるとからかう者が現れ、私は自分の手を恥じるようになった。…続きを読む