9月14日職場から年一回の健康診断を受けに行くため、勤務時間よりも2時間早く出勤する(もちろん時間外手当はつかない)。一般的な健康診断。問診票に最近食欲がないことを書いたが、「特に異常なしにしとくね~」の一言で終わった。今回の診察はハズレだなぁと諦める。結局“健康診断を受けさせた”という形だけが必要で、どんなに真っ黒な働き方をしていても、倒れない限り変わることはないのだろうと思う(し、例え倒れても職場環境自体が変わることはない)。勤務上夜勤もあるが、寝ずに仕事をし食事も摂らずに残業をして、我ながら不健康な生活をしていた自覚はある。健康診断の帰りにシュークリームを買ってもらう。…続きを読む
誰かに紹介された本というのは、難しいものだ。紹介してもらった以上、それなりの感想をもたなければいけないというプレッシャーがある。君と僕とは、どうやら本の好みが違うようだ。君が『オススメ!』として紹介している本を何冊か読んでみたが、どうも読み進まない。そんなはずはない、と何とか読了し感想を絞り出すが、気の利いた感想が言えるわけもない。君も気付いていただろうか。それでも、君が紹介する本はとても魅力的に聞こえて。そうか、僕は君の紹介する本ではなく、君が紡ぐその言葉が好きなんだと気付く。(本の作者には申し訳ない。)君の言葉はとても透明で、それでもしっかりとした色を持っている。僕はそれが好…続きを読む
どこまでも高く 君は目指すけれどぼくは足下の雪を踏む音も、流れる雲を見上げる君もすきだなあどこまでも深く きみは求めるけれど僕は止めどなく流れる小鳥のお喋りも、水面の眩しさに目を細めるきみもすきだなあどこまでも遠く君といっしょに行けたらいいなあ知ってる?果てしない距離を動くことと、果てしない時間を生きることは必ずしもイコールではないんだよできるだけ長く君と きみといっしょに居られたらいいなあ…続きを読む
乳児院で働いている。乳児院とは、就学前まで(主に2歳頃まで)の様々な事情により家庭で過ごせない子どもたちが生活をしている場所だ。職員は、子どもたちにとって言うならば保護者代わりだ。担当制をとっているため、それぞれ担当の子どもがいる。(担当の子どもだけを見るわけではなく、毎日見てあげられるわけでもない)担当児とはいえ、やはり人対人なので相性はある。専門職として子どもに関わっているので、子どもによって贔屓することはない、つもりではある。今まで、送り出した子を含め何人か担当児を見てきたが、その中でも三男(1歳9ヶ月)は特別な存在だ。かわいい。とにかくかわいい。何もしてもかわいい。わ…続きを読む
「せんせー、“ピザ”って10回言ってー?」学校の楽しさを覚え始めたばかりの少年が、あどけない笑顔で白髪交じりの教師に話し掛けている。おそらく、どこの地域でも一度は流行る例の遊びだろう。「ピッツァ・パイ、ピッツァ・パイ、ピッツァ・パイ、、、」「ちがうよ!ピザ!」何のためらいもなく違う単語を言い始めた教師を、少年は慌てて訂正した。「ピザだよ!もう1回!」「ピッツァ・パイ、ピッツァ・パイ、ピッツァ・パイ、ピッツァ・パイ、、、、」教師は表情を変えず続ける。「ちがうってば!ピザ!ピ!ザ!」「オーケー」「もう、まじめにやってよね!はい!」教師は自信満々な顔付きで「ピッツァ・パイ、…続きを読む
私事だが、悪性リンパ腫の治療のため10月より休職している。今日から3度目(抗がん剤3クール目)の入院。ベッドの上の暇つぶしが何かになればと思い、書き始める。仕事は保育士をしている。保育士としては8年目。私立保育園、障害児通所施設を経験し、今は乳児院で働いている。保育の仕事は奥が深い。やればやるほど、もっと深めたくなる。入院中も製作をしたり、保育に関する本(実践系の保育雑誌は働きたくなってしまうので、知識を深められそうなもの)を読んだりと仕事のことを考えているから、わたしはたぶん保育士という仕事がすきなんだと思う。“保育士”に関してはいろいろなニュースや意見を目にするが、世間の認知…続きを読む
ねえ花火どうか遠くのあのひとに ぼくの声を届けてよ興味がないって言っていたから たぶん君の姿は見ていないけれどその声なら届くかもしれないから、だからどうかどうかあのひとに ぼくの声を届けてよあいたいなはなしたいなわらいたいなすきだったよたのしかったこれからも言いたいことはたくさんあるのに ぼくの声は届かない、きっとだから だから ねえ花火君の声なら届くかなそれともたくさんの歓声にかき消され 夜空に消えていくのかなねえ花火もしも遠くのあのひとに ぼくの声が届いたのならふたりでね 君を見て、わらえるかなそしたら君は いつもより数秒長く 輝いてくれたらい…続きを読む
その生命を終え“がく”から離れた花弁は、ふわりと空に舞う。それは、秋の赤い葉も同じように。流した涙は水滴となり、投げたリンゴはどこまでも翔んでいく。詩的に語ればなかなか美しいが、実際に生活をするには不便なことも多い。桜や雪柳などの小さな花弁は、舞い上がる雪のようでそれなりにきれいだとは思う(多すぎるとそこら中にくっついてめんどくさい)。チューリップや木蓮などの大きな花弁、大きな楓の葉は目の前に翔んでくると少し邪魔だ。虫がついていることもある。誰のものか何の水か分からない水滴は気持ち悪いし、リンゴを投げると危ない。わたしが唯一気に入っている(便利、ではなく)のは、移動の際ふわふわと…続きを読む