7月から始まったモノコン。 今年も楽しみにしていた私。 今年こそはちゃんと参加しよう。 そう思っていた7月。 なのに、今はもう9月。それも今日でモノコンが終わってしまう。 ネタ帳にはいろんなネタがたくさん書きとめられている。けれど、どれも中途半端で起承転結つけてないものばかり。 7月はいろんな話を妄想していた。 8月はそれをちゃんと形にしなきゃなと思いつつ日々の忙しさから、後回しに。 そして、9月はめちゃくちゃ焦って書き始めた。 でも、結局、間に合わなかった。 あれ? 似たようなこと、あったよね。 そう、何十年も前の夏休みの宿題を思い出したのだ。 ギリギリまで宿題…続きを読む
「ちょっと話聞いてるの?」 そんな母の声が聞こえてくるくらい壁が薄い我が家。 もうかなり年数が経った住宅なので、それも仕方ないのですが、たまに音がシャットアウトされた空間での執筆に憧れます。 常に隣の部屋の母の声やテレビの音が聞こえてくる環境での物書きはけっこう集中力を試されます。 この集中力が私には欠けておりまして、余計な音が入ってくると、なかなか執筆に専念できないのです。 賑やかな環境でないと書けないという人もいるかもしれませんが、私は静かな方が集中して書けるのです。 よって、執筆が進むのは母が買い物に出掛けている時や母が寝ている時となります。 月曜から金曜までは仕事で土日…続きを読む
ぽかぽか暖かいお日様の光が身体を包む。 そよと吹く風には金木犀の甘い香りがする。 僕の大好きな節子さんの好きな香りだ。 僕はあまり好きではないのだけど、大丈夫なフリをしている。 だって、節子さんの好きなものは嫌いになれない。 節子さんは僕の初恋の人だから。 陽ざしが気持ちよくて、うとうとしてると、上から声が降ってきた。「またここにいたんだね」 またと言われてしまう。 いいじゃないか。 このひだまりが好きなんだもの。 眠い目はそのままに、短く返事をする。「今日はいい天気だから、ひなたぼっこには最適だよね」 ミシッと床を鳴らして、僕の隣に腰かけたのは、節子さ…続きを読む
「我の声に応えよ」長い長い呪文の後、私は心の中で手を合せ願った。どうかどうか、おばあちゃんに会えますように……と。「やったっ!成功したっ!」 魔法陣から眩い白い光の柱が幾重にもそびえたつ。 あまりに光が強すぎて、思わず眼を閉じる。 瞼の向こうの光が少しづつ和らいでくる。 それを感じて、私はゆっくりと眼を開いた。 まだ白い光は存在していたけど、その光の中に黒い影が現れる。 眼を擦ってもう一度見る。 黒い影は、明らかに人のそれだ。「おばあちゃーーーーんっ!会いたかったよーーーーっ!」 持ってた分厚い魔法書を床に落とし、私はおばあちゃんに駆け寄る。 ぎゅうと黒い人…続きを読む