S : 塩と白菜O : 重しS : 三か月待つ婆ちゃんんちの白菜漬けみたいなものでも婆ちゃんには、叶わない…続きを読む
祖母の畑にやってきた。88歳の祖母は、元気だ。もともと農家育ちの祖母だったが商家へ嫁ぎ、畑仕事などせずに半生を過ごしていた。しかし、70歳を超えたころから畑がしたいと言い出し、近所の農業学校の元校長の指導を受けながら小さな市民農園の一区画を耕し始めた。元校長は祖母より一回りも年下だ。祖母の方がいくら人生の先輩と言ってみたところで、元はついても校長は校長だ。祖母は「せんせー、せんせー」と教えを請いながら「商売はそうはいきません」とか逆に意見したりもしているようだ。それでも二人の畑にはいつも笑い声が絶えなかった。…続きを読む
実家のある北海道を一人で訪れたのは何年ぶりだろうか第1子の出産以来だった気がする。その前にはいつも夫と一緒その後はいつも夫と子どもたちと皆一緒の帰省だった。父が亡くなってから久しく母は旅行にも行っていなかったたまには旅行にでもと思い叔母も誘い三人で阿寒湖温泉へ一泊二日の旅を計画した。運転の苦手な私でも、高齢の母と叔母に運転させるわけにはいかずレンタカーを借りて出発した。第一の休憩タイムは美幌峠晴天の夏の日美幌峠に近づくと空には色とりどりのパラグライダーが3機風に吹かれて滑空していた峠の駐車場に着くとなぜか一機だけが、駐車場前のエゾハイマツの林に墜落…続きを読む
昔聞いたことのある違和感のある言葉「自分探し」何言ってるんだろう?自分はここにあるのに何言ってるんだろう?自分が行方不明になるわけないのに何言ってるんだろう?探さなくてもここに生きているのに…続きを読む
心が 歪みそうな時 心が 凹みそうな時 心が 忙しない時 初級者のためのユウネルユウは、 友達や仲間にとにかく会う事 そう、それで 前に進めます。 …続きを読む
「ここまでだ。限界だ」「ここまでって?私たちの子どもはどうなるの?」「生きていく術がないじゃないか」「だから、子どもの未来はどうなるのよ」「…」「私はあきらめない。物(もの)の怪(け)の変化土(へんげど)が変わろうとも、絶対に生きていく」「俺たちの未熟な変化(へんげ)ではもう限界だ」「ヘンゲ種族の中には、新しい変化(へんげ)の力を身につけている種族もいるじゃないの」「ヘンゲ種族とひとくくりにしても、能力差が大きいじゃないか。平成の大合戦で敗れた我ら種族には、ここまでが限界だ。現金が使えなくなるんじゃ、シイの葉もドングリも使えないじゃないか?」「そんなこと言った…続きを読む
アワビは日常食するものとは少し違うような気がするにもかかわらず、私の甥っ子は子どもの時から「アワビ好き」な不思議な子だった甥っ子は、割烹の育ちだ割烹経営者、板長が父親なのだ中学に入った頃には、父親の板長から「いいアワビが入ったよ」と声をかけられると「寿司でお願いします」と言って親子でカウンターを挟み女将も兄もましてや板長も食べないアワビを「今日はバター焼き」とか「今日は寿司」とか言って食べていたらしい。板長には、「こいつは跡継ぎになりそうだ」と思っていたのかもしれないところが、高校に入ったあたりから、進学して会社員になりたいと…続きを読む