これを執筆している時、外国では望まない戦いに巻き込まれた人たちが命の危機に晒されていて、もしくは命を失っている。そう、戦争の真っただ中にある。喧嘩両成敗。そんな言葉もあり、今回喧嘩を吹っ掛けた方にも私たちのうかがい知れない理由があるのかもしれない。でも、そんなものは関係ない。吹っ掛けた方は、命を失う覚悟を持った兵士が命を失うかもしれない。吹っ掛けられた方は何も悪くない人々が望んでいない死を迎えている。望んでいない不幸を強制されている。戦時下におられる方々には、本当に申し訳ないが、私には少額の募金を行うくらいしかできることはない。外から見ている私たちの目には、自分の…続きを読む
ジリリリリ…けたたましい目覚ましの音で、目が覚める。条件反射で目覚ましを止めて、辺りを見回す。?「ここは…どこだ?」ズキッっと頭に痛みが走る。周りを見回しても、まぁまぁ片付けられている男の部屋ということ以外分からない。アイドルっぽいポスターがあるから、年頃の男の子の部屋なんだろう。勉強机の上にある鏡を手に取り、顔を確認する。この顔に全く見覚えがない。やはり、そうか、これが記憶喪失というやつだ。普通、記憶が無くなるともっと慌てふためくものなのだろうが、不思議と落ち着いている。ここが部屋の中だからだろうか。恐る恐る部屋の扉を開け、見覚えのない廊下を抜け階段…続きを読む
今からお仕事?今から遊びに行くのかな?いや、デートかもしれない。楽しみ?憂鬱?でも、みんな同じ箱に乗る仲間だ。その時間は短いかもしれないし、長いかもしれない。おいおい、そんなに押すなよ。おいおい、リュック当たってるよ。おいおい、足踏んでるよ。おいおい、触ってくるんじゃないよ。この箱は、行きたい場所まで運んでくれる。でも、その道中を平穏無事に過ごせるかは、仲間たちにゆだねられている。おいおい、優先席に座ってるんじゃないよ。おいおい、携帯でしゃべるんじゃないよ。おいおい、大声すぎねーか?おいおい、マスクつけとけよ。これは、声にならない声。仲間”達”の…続きを読む
究極の翁とは。アルティメットな老い方をした人の事だろう。祖父がそうだったと思う。年老いてからも散歩し。ゴルフができなくなれば新しい趣味である俳句を嗜み。つい最近まで夜通し孫、ひ孫と一緒にカードゲームに興じる。おっと、過去形にしてはダメだった。祖父はまだまだ健在だ。こういう老い方をしたいと思わせてくれる、祖父こそアルティメット翁だろう。…続きを読む
『泣くということ』https://monogatary.com/episode/166475…続きを読む
中学生の夏休み。祖父母の家に泊まり、普通の夏休みをおう歌していた。「あー自販機で、飲み物買ってくるわーこづかい頂戴。」と、祖父母に小銭をもらい、自転車で5分ほどの商店に走る。祖父母の家は住宅街にあるけど、田舎で夜になるとポツポツとある街灯以外は光が無い。おかげで星は綺麗だ。時間は22時を過ぎた頃だったか。もう通り慣れた道。広くはない道だが、交通量もほとんどない。夜になればなおさらだ。街頭のある、T字路に差し掛かる。祖父母の家から2分くらいのところだ。T字路の横と手前は民家、奥の区画はブロック塀に囲まれている結構大きいお寺だ。このお寺には入ったことが無…続きを読む
「なんで、こんな時に限って!!」男は、電話を探していた。携帯があるのては?もっともな意見だが、残念。電池がなければただの板だ。焦っていたのには、当然、理由がある。やっとこさ取り付けたデートの約束。まぁ、二人でディナーに行くだけ。と、言えばそれまでだが、意中の女性にアタックしたことのない、それどころか、普段女性とただ喋ることすらも困難な奥手の三十路男にとっては、千載一遇の好機だ。両親は"まだ"なにも言ってこないが、年齢的にもぼちぼち、色々、考えないといけない頃だと思う。「あのー、この辺に電話ボックスってありませんか!?」土地勘のあまりない出先なので、歩いている…続きを読む
「生きづらい世の中になった」と良く聞くようになった。小学校では、順位付けは悪とされ、運動会は頑張ることが全てだ。それが全て悪いとは思わない。でも、オモテ舞台で表彰されないことで、ウラで頑張る子が減ってるんじゃないだろうか。考えすぎか。学芸会では子供が主役でないとダメな”人”が居るから、皆で合唱や主役のいない朗読劇を良く見る。悪役なんてもっての他なのか。善がいれば悪もいないと漫画や映画は成り立たないものがほとんどだろう。また脇役がいてこその主役であり、ウラ方が居るから、オモテで演者が活きる。裏方も当然プライドを持ってその役を受け入れているだろうし、演者が輝くことで評価され…続きを読む
通勤途中にふと思い出す。いつもの電車の中。特別な日でもなんでもない。私は妻に、「好き」や「愛してる」、「I love you」を伝えたことが無いのではないか。当然、「付き合って。」、「一生、一緒にいてほしい。」は言った。気がする。付き合ったときは、会社の飲み会の後、帰り道で完全に酔った勢い。ずっと好きだったが、5歳上の冴えない30歳目前のおっさんの突然の告白を受けてもらえると思っていなかった。「いいですよ。」その言葉は嬉しかったというより、酔いがさめるほどの驚きの方が強かったことを鮮明に覚えている。プロポーズは、彼女の誕生日に洒落たレストランで。緊張のし過ぎで…続きを読む