イシグロシクムです。
文章は下手ですが、ストーリーテラーとして頑張ります。
2022/04/25『ハイウェイ先輩、なんでなん?』スタッフおすすめ掲載。
https://monogatary.com/story/370014
2021/02/14『フラれた理由を捜査中』スタッフおすすめ掲載。
https://monogatary.com/episode/137654
2020/12/12 『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』映画原作オーディション大賞。
https://monogatary.com/notification/notice/110292
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どうしたの?眠れなくなったの?大丈夫、大丈夫よ、お母さんがついてるわ。そぉねぇ、ノエルのお話をしようかな。○むかしむかし、あるところに、泣いている女の人がいました。ハナという名前です。不幸は突然に訪れます。守ってくれる人がいなくなったのです。1人はおばあちゃんで、1人は将来を誓い合った男の人でした。しゅくしゅくとお葬式が行われ、しくしくとハナは泣きました。大好きだったフルートを奏でる気にもなりません。ハナのお仕事はフルート演奏でしたが、好きな人と暮らすためにお休みしていました。でも、もうお金が底をついて、ずっと泣いているわけにもいかず、お仕事をもう一度やろうと思いました…続きを読む
実はこっそりと猿を飼っていたのです。逃げられちゃったんですけどね。賢いやつでしたから。私の世代は猿に愛着があると思われるのですが、私だけの感覚でしょうか。孫悟空のイメージが強いのですけど、ドラゴンボールの他にも孫悟空がモチーフのアニメなどが多かったように思います。西遊記にはときめきポイントが多いのでしょうかね。あらためて研究すべきかもしれませんね。如意棒と筋斗雲と分身の術。これらすべてを夢見る少年でした。ある日、裏山に出かけると、木の上からガサガサと音が聞こえてきます。目を凝らして見てみると、いました、猿が。「あ、猿や」と、意味もなくつぶやきました。この言葉でちょっとだけ…続きを読む
俺の華火、見やがれ―!バーン!みたいな時もあるんですよ。これが石黒志玖夢じゃー! って。でも、だいたいいつも、ちょっとローソクを灯しときますね、ぽつんと。私の明かりがあることに気づいていただけば結構です。みたいな感じで投稿してます。特に近頃のコンテスト、女性向きだなぁって思って、私のテイストじゃなくて、一生懸命に書くのですけど、恥ずかしい。普段は着ない服を着るようで、心がスースーします。ストーリーをコメディに走らせて、笑いを取るのが正解なコンテストなら、いろんな花火を炸裂させて、爆笑の大輪を咲かせようと思うのですが、ドライフラワーとかアクセサリーとか、女性が歌う歌とか、…続きを読む
「俺めっちゃ喧嘩好きやねん」と、喧嘩番長はニヤリと笑った。それは少年のような笑顔であったが、僕の背中はヒヤリと震えた。ぶ厚い手で割り箸を握りながら言う。「鼻を刺すのが楽しくてしょうがない」怖い、怖すぎる。番長のゴツゴツした拳は液体で濡れていた。人は序列を確認したがる生き物だ。特に男はその傾向が激しい。官僚組織、ヒエラルキー、マウンティング。僕は一生、ペコペコしながら、しっぽ振りながら、「すごいですね」って言いながら生きなきゃいけないのか。目の前の喧嘩番長に恐怖を覚えながら、敵に回さぬように立ち回る。神経がすり減る。ここだけではない。インターネットのせいで、あるいはS…続きを読む
僕はハイウェイ先輩を追いかける。速い、速すぎる。「ま、待って下さい、先輩」「うるせぇぞ。おいてくわ」なんて言いながら、速度はゆるめてくれたようだ。カッカッカ、と笑い声も風に乗ってくるようだった。我々人狼の仲間のうちで最も速いのがハイウェイ先輩だ。(あ、ちょっと、話が飛躍しすぎたかな。僕は3週間前から人狼である。)基本的には二足歩行だが、山道を駆け抜けるときは両手を前足のように使う。爪が地面をグリップし、肩の筋肉が盛り上がり、タッタッタッタッと、木々が後ろへと流れていく。確かにこの速さは気持ち良いのだけれど、ハイウェイ先輩は走るのが好きすぎて、目的もなく駆け出すもんだから、付き合…続きを読む
僕たちは劇的なことが日々起きるわけではない世界に生きていますから、小説の中で劇的なことを起こすと嘘っぽくなる。昔の物語は幸せも不幸も、てんこ盛りだったけど、今はそういうの、違うんだろうなぁ。1つは最初から異世界にぶっ飛ばすしかないのだなぁと、日常では劇的なことを起こせませんから。もう1つは、地味なことを起こしつつ、さもそれが重大なことのように書くこと。土曜日に湖岸でバーベキューをしました。これだけのエピソードをどうやって重大にするか?例えば、事故が起きたり、恋をしたり、火傷したりするのは、物語として時代遅れなのかな。現代ではこんな風、土曜日に湖岸でバーベキューをしました…続きを読む
今日はエッセイです。小説を書くのって、本当に悩ましいですよね。一生懸命に書けば書くほど悩ましい。私は1年半くらい書いて、ようやく自分の得意なパターンが分かってきたのですが、そのパターンでは攻略できないお題というか、コンテストというか、ニーズがあって、あるいは頭に浮かんだイメージがあって、自分の手持ちの武器だけで、それでも挑もうか、やめとこうかと悩ましい。料理に例えるとすごく分かりやすくて、私は寿司が作れますよ、と、生魚をさばいて、美味しい酢飯を用意して、サッと握りますよ、と。寿司を注文してくれるなら、うっとりさせられますよ、と。しかし、パエリアを注文されると、どうしたもん…続きを読む
あの時、あの駅前で君を花火に誘えなかったことを、僕は今でも後悔している。僕が君に好きだと言えない理由は、もう僕がこの世のものではないからだ。あの日、僕は交通事故に巻き込まれて死んだ。というのは、昨日見たドラマの話だ。大好きなグラビアアイドルがちょい役で出演していた。主人公に猛アピールするバカっぽい女の役だった。僕はそのアイリちゃんのファンだけど、恋愛とは別だと分かっている。この好きとあの好きは別物だ。好きなのは君だけだ。だけど僕は君に好きだと言えない。その理由は、僕が君に飼われている犬だから、ではないワン。僕が未来からやってきたから、でもなければ、血の繋がりがあるから、でもない。…続きを読む
期待されると、頑張ってしまう。オーダーされると応えてしまう。だけど、自分にできるものってそれじゃない。美智子は颯爽と歩く、テイクアウトのコーヒーを片手に。大手のチェーンのそれではなく、若い店主がハンドドリップしたものだ。代官山でしか味わえないものがある。それが街の価値になる。街には個性があり、人にも個性がある。そこに惹かれる。ドライフラワー専門店もその1つ。「COCO BOTANICAL」を知ったのは偶然だった。生花を所望していたけれど、あの通り沿いの看板を見つけた時、ドライフラワーなんて洒落てる、と引き寄せられた。なぜって、友人への開業祝いに花を送ろうとしてたんだけど、彼の…続きを読む
ひょんなきっかけで始まる恋は枚挙にいとまがない。僕の場合は、フルートの音色に恋して、酔った勢いで恋をして、読書がきっかけで恋をして、下着がチラリを見えたのがきっかけで恋をした。でも今日は、花粉のおかげで始まる恋の話。基本的に僕は花粉が嫌いだ。アレルギーが起こる。スギよりヒノキが苦手で、ブタクサとかカモガヤとか気をつけるべきものが他にもある。去年は草むしりをしていて、何かが刺さってブッツブツになった。草の成分ごときで弱ってしまうなんて、自分が嫌になる。だけど、あの花粉だけは思い出がある。かぼちゃの花粉だ。だけど、その前に中学生の時の初恋の話を聞いてほしい。同級生に美し…続きを読む