ーAM8:25ー缶コーヒーを片手に駅前の喫煙所から出てくるあなた。後ろから肩を叩いて「おはよう!」と声をかける。『最近よく会うね』とあなたは言うけど当然じゃない。私が密かに時間を調べて合わせてるんだもの。私は総務部であなたは営業部。働いてる部署が違うから、朝のこのタイミングしかお喋りする時間がないのよ。本当だったら仕事終わった後も一緒にいたいし、あなたが嬉しい時も辛い時も、寝る時も朝起きた時も一緒にいたい。だけど同じ職場、もし2人の関係がダメになったら気まずいし、仕事に支障が…と思うと踏み出せない。言葉って不思議「おはよう」と「好きだよ」同じ…続きを読む
右の拳をこめかみから下に降ろし、両手の人差し指を体の前で垂直に立ててその指がお互いにお辞儀をするように同時に曲げる。「おはよう」僕が初めて覚えた手話。正直、なんの不自由もなく生きてきてしまった僕には「耳が聞こえない」というのが想像出来なかった。入学式で初めて会った君はとても自然体で、そんな風に見えなかったし、その事実を知った時は本当に驚いた。それでも君は強そうに凛としてて、凄く興味をそそられた。手話なんてやったこと無かったけど、自分なりに調べてみた。ある朝、初めて君に「おはよう」と言った時の、あの驚きと喜びの入り交じった笑顔は今でも脳裏に焼き付いている。君は嬉しそう…続きを読む
朝はだるい。昔から朝はニガテだ。カーテンの隙間から射し込む光に顔をしかめていると優しく頭を撫でながら「おはよう」と僕の鼓膜を君の声が優しく揺らす。素直に「おはよう」と返すのは少し恥ずかしくて、「んー」と言いながら寝返りを打って少し伸びをする。君は少し呆れながらも、嬉しそうに立ち上がってキッチンへ向かう。遠ざかっていく足音を聞きながら、ただただ幸せに身を任せる。そんな毎朝のルーティン。また朝が来る君は今日も優しく嬉しそうに、少し呆れながら起こしてくれる。少し薄目を開けて君の顔を見てみたけど、なんだか視界がぼやけてる。「どうしたの?」と君に聞かれて『どうも…続きを読む
朝はだるい。昔から朝はニガテだ。カーテンの隙間から射し込む光に顔をしかめていると優しく頭を撫でながら「おはよう」と僕の鼓膜を君の声が優しく揺らす。素直に「おはよう」と返すのは少し恥ずかしくて、「んー」と言いながら寝返りを打って少し伸びをする。君は少し呆れながらも、嬉しそうに立ち上がってキッチンへ向かう。遠ざかっていく足音を聞きながら、ただただ幸せに身を任せる。そんな毎朝のルーティン。また朝が来る君は今日も優しく嬉しそうに、少し呆れながら起こしてくれる。少し薄目を開けて君の顔を見てみたけど、なんだか視界がぼやけてる。「どうしたの?」と君に聞かれて『どうもしない…続きを読む
妄想の中では俺はイケイケで、デートでもあいつをいつもリードして気の利いた話題で盛り上げて。もし付き合えたらっていつも考えてる。だけど、いざとなったら。今日もあいつがバタバタと教室に入ってくる。少し息を切らしながら隣の席に座って少し深呼吸をして息を落ち着かせてからこっちに顔を向け『おはよう』あの日、席替えで隣の席になってから毎朝言われる『おはよう』の一言俺といったら、妄想の中ではあんなにスマートなのに「お、おう、、」くらいしか返せないし顔も直視することができない。『おはよう』のたった4文字なのに恥ずかしさからかなんなのか言葉にならず素っ気ない態度になっ…続きを読む
きっと、私の仕事は誰よりも朝早い。まだみんつなが寝静まってる時間から動き出して、みんなを起こさないように「おはようございます」と小声で挨拶して静かにキッチンに向かう。そして、おもむろに冷蔵庫を開けてマヨネーズを吸うのが仕事。今の事務所には、歌って踊れるアイドルになりたくて入った。なのに今は女装して知らない人の家のマヨネーズを吸うのが仕事になってる。正直、納得いかない。だけどこんな自分を観て笑顔になってくれる人が少しでもいるなら、いくらでもマヨちゅっちゅしてやろうと思う。世の中に無駄なことなんてない。マヨちゅっちゅで世の中を元気にしてやるんだ!…続きを読む
きっと、私の仕事は誰よりも朝早い。まだみんなが寝静まってる時間から動き出して、みんなを起こさないように「おはようございます」と小声で挨拶して静かにキッチンに向かう。そして、おもむろに冷蔵庫を開けてマヨネーズを吸うのが仕事。今の事務所には、歌って踊れるアイドルになりたくて入った。なのに今は女装して知らない人の家のマヨネーズを吸うのが仕事になってる。正直、納得いかない。だけどこんな自分を観て笑顔になってくれる人が少しでもいるなら、いくらでもマヨちゅっちゅしてやろうと思う。世の中に無駄なことなんてない。マヨちゅっちゅで世の中を元気にしてやるんだ!…続きを読む
『最下位は、ごめんなさーい!魚座のあなた!...』テレビから聴こえるいつもの占いで慌てて目を覚ます。時計を見ると既に8時になろうとしている。しっかりアラームをセットしたはずなのに、なんでこんなことに!まあ仕方ない、今日が楽しみ過ぎて、昨日は修学旅行前日の中学生みたいに中々眠れなかったからなぁ。今日は夢にまで見たユリナとの初デート!まさかOKを貰えるとは思わなかったけど、好きな食べ物とか映画とか、色々周りの友達にリサーチしたからデートプランはバッチリ!デートが上手くいったら勇気を出して告白して、あわよくばキスくらいは、、、なんて考えてたら興奮して明け方まで眠れなかった。とり…続きを読む