陸前高田市。わたしは、小学校~中学校の進学を挟んだ五~六年程度、ここに住んでいた。転校を何度も余儀なくさせられていたわたしにとっては、長い方だったと思う。父は裁判官だったのだから仕方がない。新しい地でできた友達は、かっこいいねと言ってくれるけど、その度にわたしは、その印象を意外だと受け止めていたっけか。だって、おかげでよかったと思った事なんてちっともなかったから。だからわたしは、ここが見舞われた、かの震災を知らない。奇跡の一本松駅。今降りようとしているこの駅にも初めて来た。話には聞いていた。わたしにとって、卒業式を迎えられた思い出のあるこの学校の近隣地域は、地震と津波により何もかも…続きを読む
これは、howariさん作「rumera -ルメラ-」https://monogatary.com/story/348915の続きの物語にあたります。とはいえ、今作と次作の二話とも、ルメラがどこから来てどこへ行くのか、皆様のナンバリングタイトルのようにはっきりとはされていません。神出鬼没なルメラくんの、これらもひとつのエピソード。今日も思わぬところで、暴走しているみたいですよ──。 ◇ ◆ ◇◎ RAYARD MIYASHITA PARK・施設内自由と活気のあふれる、渋谷の商業施設。多くの若者たちが買い物を楽しんでいる。あなたは立ち止ま…続きを読む
……と申し上げるのが2日後なのはいかがなものか。すっかり遅くなり申し訳ありません。こうして遅れている間も、サノさんうっかりダイヤモンドの飴玉を口にして歯が欠けたりなどしていないかと心配しておりました。むしろ私が自分の心配をするべきですね、わかります。あ あ-めでたいサノさん300投稿祝い いめ 目指す所示す手摺りの先にあった ただ 団らん醸す飴玉ファミリアの夕べ べま 真っ黒く染まる闇夜さえ輝かせた た縦読み上手のサノさんはじめ皆様に、今回縦読みをお届けしようとは思いません。横読みです。3か所です。簡単ですよ🎶ついでに、「生活の役には立たないけどモノカキの役には立つかもし…続きを読む
思い出して、もらおうか。 ◇ ◆ ◇「今、ナポリタン出た所よ、咲希」「望未特製の、限定一食の、ナポリタンね」「うまく、再現できてると、いいな」咲希に、望未と呼ばれた女性は、ポニーテールを揺らしそう返す。「あの時のように、ペロリだよ、きっと」 ◇ ◆ ◇望未のキャラが登録されていたサーバーは、バトロワ系のゲームにあるまじき牧歌的な空間で、活発なチャットルームでは、絶えることのない笑いであふれていた。当然、日々のゲーム内イベントを消化してゆくには、PK(Player Kill。プレイヤー同士の殺し合い)が…続きを読む
ここにありました、「rumera -ルメラ- 第?話」は、装いも新たに、「rumera -ルメラ- 山倉鹿片版異聞伝」としまして、https://monogatary.com/story/355554へと移しました。さて、そうしましたら、この物語スペースの処遇です。「rumera -ルメラ- 第?話」だった筈のここには、それに向けこれまで多くのコメントやリアクションをいただきました。それだけに、消して終わり、てのはもっての他、上記案内だけ行って放置というのも礼儀に欠けると思います。そこで、「rumera -ルメラ- 第?話」を書いた時と同等以上の熱量を持ったものを後釜に据えるの…続きを読む
ああ、まるでどこかのラノベみたいな長ったらしい題名だこと。いえね、あれ、正確には「題名」とは言いません。このあたり、その作者さんが分かってやっているか? というと、ご存じでない作者さんも少なくないのかなと想像しますが。「文章」を、「要約」するって言いますよね? 文章をシェイプアップし、ワンポイントくらいは自分の言葉を挿し込む場合もあるでしょう。そうして出来上がった文章の事ですね。「要約」をさらに削ぎ落としたものを「大意」といいます。ここまで来ると、まず、文章ではなく、文という単位になっている事でしょう。そして、「大意」をさらに削ぎ落としたものこそが、「題(題名)」です。つま…続きを読む
我こそはと高さを競い合うかのように高層ビルが立ち並ぶオフィス街。その一角に、とある総合商社の本社ビルがある。そこで、ひとりの青年が、エレベーターで上階へと昇っている所だった。彼の名は、由井守。この会社にあっては、ごくありふれた新入社員のひとり……いや、その言い方は少しあてはまらないかもしれない。容姿端麗で、スーツに着られているのではなく、きちんと着こなした彼は、同性から見ても惚れ惚れするような佇まいを有していたからだ。その由井守が乗るエレベーターは、ガラス張りで外の景色がよく見える。少し先のスクランブル交差点に設置された大型ビジョンは、今日も信号待ちを余儀なくされる人々に、あら…続きを読む
とある市街地の、とある料理店。どこにでもある、ありふれた料理店の中を、とんでもない何かが駆け回った。G……ではない。店の不断の努力に裏打ちされし名誉に誓って、その黒い悪魔ではない。かといってルンバでもない。残念ながらそこまでハイテク料理店ではない。「マンボウが来るですって?」それは、予想のはるか斜め上をゆく、それら以上にとんでもないものの噂だった。決して大きくないこの店には、生け簀があるが、生けておける魚はいいところ川魚くらいまでだ。夏には鮎がそこに居たりするが、さすがにマンボウではどう考えても、ひれの一枚も入らない。「じゃあ、サク(切り身。仏語 Filet にほぼ同義)で…続きを読む
新年あけましてあめだまたべたい?あ 新しい年を迎え執筆環境も新しくしたい いめ 目玉と噂のWindowsを入れてみた ただ 駄目なら元に戻すかもとまで思いうかべ べま まさか世間が言うほど悪くないと思った た ◇ ◆ ◇はい、ウチのメインPC、Windows11入れました。初詣とか、おこたでみかんとか、どんな年賀状がとか、そういった正月情緒などかけらもない新年のご挨拶。いかにも山倉鹿片らしく、乾いた笑いさえ出ます。使用感ですが、さすがに早くて気持ちいいです。これは速いの誤字ではありません。反応が良いのです。もちろん只今はクリーンインストール直後…続きを読む