アイコンkumamoさんの挿絵♡(「花に重ねて」)
※花言葉さんの挿絵と交代で愛用♡
※スローに活動中
空想映画祭ポスター2作品にキャスト採用😊
最優秀賞「Communication」遊馬さん作/「We ニート you」筆他言さん(ペンタゴン)作
◎「ナンバーズ」マンガ動画&stand.fm選出。厚く感謝申し上げます。
◎ものがたり珈琲「タイム・ドリップ」審査員特別賞
◎サノ様「あめだまたべたい(rara33さんver.)」(2021.3.6)「笑ってもいいかな!」(2021.5.30)感謝♡
◎オススメ掲載「彩光キャンディ」(凡様挿絵提供♡)「遅すぎてゴメンナサイ」「ナンバーズ」「食べて美味しい 見て美味しい」
◎花言葉様挿絵提供:「金の銃 銀の銃」(初代)「電波青年」「デッドラインの砂音」、「スルーっとパス」他♡
◎Orange様挿絵提供:「タイム・ドリップ」「コンビ愛」「紅」他♡
※ほぼ実話です。 10年以上前の話ですが、少しお付き合いしていた人がいました。 出会いは友達の結婚式の二次会です。 当時アラサーの私と同年代の爽やかスポーツマンタイプで、初対面からお互いに好印象を持ち、交際がスタートします。 彼には一つ、強いこだわりがありました。「俺、ヴィーガン(完全菜食主義者※)なんだよね」と。 ※肉や魚を始め、卵、牛乳、はちみつなどを一切食べません。「健康的でいいね」と私。 生活習慣病の予防になると知っていたし、口にする物にこだわるのは良い心がけだと思いました。 彼のモットーは「若いうちから高い健康志向を持つこと」。 でも彼の健康志向は規格外…続きを読む
犬猿の仲で有名な2人の高校生番長による、真っ向勝負のタイマンが始まろうとしていた。「ヤイてめぇ!約束の時間に遅れるとかビビってんじゃねーぞコラァ」「リーゼント固まるまで長かったんじゃボケェ!」「調子乗ってんじゃねぇ!デートでもあんのかア~ン?」「あるわけねーだろ、てめぇこそバイクで女と2ケツ楽しんでんじゃねーよ!」「ただのダチに決まってんだろ!いちいちイラついてんじゃねーぞコラァ!」 1人がもう片方の襟首を勢いよくつかみ、壁に押し付けた。 2人の距離が急速に縮まる。「ハア…ハア…」「フウ…フウ…」「てめぇ何ちょっといい匂いさせてんだコラァ!」「そっち…続きを読む
「みんなー! 今日は『ねこ学園』初の原宿ライブに来てくれてありがと~!」 ピンクと白のポップな縞模様の壁を背景に、ハタチ前後と思しき地下アイドルたちが、明るい舞台の上で完璧なフォーメーションとスマイルを振りまいている。「まねき大好きー!」「アンコールがんばってー!」 男性の野太いかけ声に混じって、若い女の子たちの声援が予想外に多かったことに、会場にいる俺は少なからず驚いていた。 俺が今いるのは、10~20代の女子をターゲット層にした『可愛い』が売りの原宿の商業施設だ。最近できたばかりの建物は真新しさも相まってSNSによく取り上げられ、地下アイドルたちの新たな進出場所にもなりつつ…続きを読む
この度は「howariさん祝1000投稿&春のホラー祭り」という、世にも楽しそうなイベントに参加させていただき、誠にありがとうございます! 本当に光栄ですし、心からお祝い申し上げます✨✨ 第800投稿目お祝いの時も書いたのですが、howariさんはちゃんと現実の生活とmonogataryさんの世界を両立させつつ、幅広くご活躍されている所がとっても素晴らしいと思います。 豪華モノカキ作家さんたちが紡いだお祝いリレー小説、「漆黒の教室」もオススメです💖 本企画キーワードの「目玉」がバッチリ出てきます。https://monogatary.com/story/343167 書籍…続きを読む
同じ会社に勤める同期の頼子を招いて、アパートで鍋をした時のことだった。二人揃ってこの春で三十路を迎える。 部屋の窓の風景は夕暮れの始まりで、慕情を誘われるほど美しいが、いかんせん漂ってくるカツオ節のだしの匂いには及ばなかった。 鍋のフタを開けると湯気たちが、オリエンテーションの終わった新入社員らみたいに、モワリモワリと宙に広がった。「それにしても意外だわ~。あの知花が寿退職ねぇ」 鍋から自分の受け皿に具を入れつつ、頼子が言った。つくね、豚ロース、白菜、マイタケ、数少ない牡蠣もちゃっかり運んでいる。「確かに。恋愛よりキャリアの方が大事だって、この間まで言ってたのにね」 頼…続きを読む
天空を統べる神ことウラヌスは、現代社会の人間たちに出会いを授けるべく、愛の神キューピッドたち(天使ではない)の働きぶりを常に監視していた。 キューピッドたちは空高く浮かぶ頑丈な塔の最上階に住み、塔から地上付近までは、螺旋式のエスカレーターで長距離移動が可能であった。「ウラヌス様、キューピッドたちの移動手段のことでお話があります」 ある日、彼の優秀な右腕ことディアーナが、新月の銀の弓を背負って神殿に現れた。 狩猟と月を司る神にふさわしい、威風堂々とした見目麗しい女神である。「おお、ディアーナか。いつもワシの代わりに色々と動いてくれて、すまないのう」 ウラヌスは決して愚鈍な…続きを読む
『この上に立って、下を覗いてみてください』 とある現代美術展の小部屋の壁に、こんな説明書きが矢印と共に貼ってあった。「どれどれ」 俺は指示された場所の上に立ってみた。 そこは全面がガラス張りの床で、下をのぞくと、黒くて丸い点がランダムに散らばって見えた。 座標平面上の散布図を、上から見ているようだ。 どの点も狭い範囲で移動するものの、目立って大きく動く気配はない。「あの黒い点は、いったい何なんだ?」 俺はうつむいたまま顎に手を当てて、しばらく思案していた。 * * *『この上に立って、下を覗いてみてください』 こんな説明書きが示す矢印の上に、私は立ってみ…続きを読む
小さな湖に隣接する、美しい街の高台にて。 男の子と女の子が、街に伝わる古い歌を歌って遊んでいた。 まだ十歳にも満たない愛らしい声の合唱を、太陽の光が包みこんでいた。 空はこんなに青いのに どうして大地を走れない? 空はこんなに青いのに どうして海で泳げない? 空はこんなに青いのに どうして木登りできないの? 空はこんなに青いのに どうして花を愛でないの? 空はこんなに青いのに どうして命を奪えるの?「OK、デイジー。いま歌った歌をリピートして。歌い終わったら、右隣りのデイジーに、私が言ったことと同じことを命令して」 高台に連れて来た最新式のA…続きを読む
「久しぶりに会えたのに……どうして振り向いてくれないの?」 隣にいる私の問いかけを、あなたは背中で受け止めた。 街の片隅にある、小洒落たバーのカウンターに腰かけたまま。「仕方ないだろ。昨日いきなり呼び出されてさ、外見が不完全なんだ」「どういうこと?」「死んでから墓の中で5年も眠ってたから、体がボロボロでさ。カッコいい俺を見せたくて頑張ったけど、一晩じゃ時間がなかった」「ってことは」「ああ。このとおり、背中しか整えられなかった。だからこの反対側はゾンビみたいな状態だ」 薄暗い照明の下、目の前の大きな背中がしょんぼりと言った。 灰色のスーツ姿が、ため息に合わせて上下に揺れた…続きを読む