しばしお暇いただきます(>_<)
皆様の作品、あまり読みに伺えず申し訳ありません。
●挿絵提供● ありがとうございます!
・のあん 様
https://monogatary.com/thumbnail/310049
・liu 様
https://monogatary.com/thumbnail/310308
https://monogatary.com/thumbnail/318010
https://monogatary.com/thumbnail/327886
●現在連載中の作品●
『ぜんまい仕掛けの少女』
https://monogatary.com/story/324350
長編になる予定です。
●今年の抱負●
・コメント苦手を克服する。
・なるべく多くの長編作品に目を通す。
・作品を大切にする。
🌸どうぞよろしくお願いいたします🌸
私はずっと、花になりたかった。✳︎あなたと初めて出会ったのは、春。お屋敷の庭園に、赤い薔薇が咲き乱れる季節。「薔薇の花がお好きなんですか」突然声をかけられて、振り向くと、あなたが立っていた。私に声をかけてくれる人なんて、今までいなかったから、少しだけ驚いた。今日からこのお屋敷の新しい庭師になったんです、とあなたは得意げに話してくれた。緊張しているのか、あまり目を合わせてはくれなかったけれど、まるで自分の子どもを愛でるように薔薇の花を一つ一つ慈しむあなたに、私は惹かれていった。✳︎あなたに初めて触れたのは、夏。背の高い向日葵のなかで、二人きりのかくれん…続きを読む
メリークリスマス! 外へ一歩踏み出した途端、通りを歩いていた子どもたちが、楽しげにそう言って、ルイの前を通り過ぎていった。近ごろ、執筆活動でずっと部屋に籠もりきりだったルイは、その楽しげな声聞いて初めて、今日が一年のうちでも特別な日だということに気がつく。 ――そうか、今日はクリスマス。 確かに、意識して見ると、街ゆく人々は皆どこか浮き足立っているし、あちこちから美味しそうなごちそうの香りがする。扉に手作りのクリスマスリースを掛けている家もあれば、飾り付けされた小さなモミの木を置いている家もあった。 すっかりクリスマス一色になった街を眺めながら歩いていると、ふと、頬に冷たいもの…続きを読む
色鮮やかな花々が、夜明けの仄明るい空を映した水面にいくつも浮かんでいる。純白、深紅、薄桃、山吹色――。思わず手を伸ばしたくなるほどに愛らしい睡蓮の花。けれど、その花の美しさに惑わされてはいけない。手を伸ばしたら最後――。水魔にその手を掴まれて、水底に引きずり込まれてしまうから。…続きを読む
わたしがその美しい竜と出会ったのは、とても暑い夏のことだった。 当時、小学校低学年だったわたしは、夏休みを使って祖父母の家に遊びに来ていた。 祖父母の家は、電車を三度も乗り換えて、さらに最寄り駅からかなり歩かなければならないくらいの田舎だった。両親は仕事で一緒に行けなかったので、ちょっとした冒険気分になっていたわたしは、とても興奮していた。祖父母の家にたどり着いてからも、ずっと心臓がドキドキしていて、落ち着かなかった。 昼ご飯の後に出される西瓜も、そよ風を受けて揺れる風鈴も、蚊取り線香の渋い香りも、すべてが新鮮だった。 そして、ひとりで祖父母の家にいることにもだいぶ慣れた頃、そ…続きを読む