【自薦祭2021】内で monogataryスタッフの方に
「⑤文学的な匂いを感じる」「物語的というか文学の香りのする、詩的で比喩的な帯文。読書好きの心に刺さって、もしここが本屋なら足を止めたくなるのかもしれません。」
という解釈をして頂きました。
ありがとうございます。
(帯文)
病と恋の葛藤。 あの日の涙は 彷徨い続ける。
https://monogatary.com/story/281011
(自薦祭2021)
https://monogatary.com/spotwrite/308309
何で人は争いが好きなんだろうね。言葉があるのに。人生は1回きりなのに。あなたは忘れたの?あなたの母親があなたを命懸けで生んだから生まれてこられたんだよ。あなたも命懸けで生まれてきたから生きているんだよ。あなたが そうであるようにどの命も 命懸けで母親が生みどの命も 命懸けで母親から生まれた。出産を舐めるな。命懸けだよ。分かる?どの命も命懸けで生んで命懸けで生まれてきたんだよ。それを忘れているから命を軽視する心が生まれるんだ。命を軽視する心なんて 要らない。必要な心は、あなたも私もどの命も母親が命懸け…続きを読む
〇RAYARD MIYASHITA PARK・施設内自由と活気のあふれる、渋谷の商業施設。多くの若者たちが買い物を楽しんでいる。あなたは立ち止まり、ぼんやりと白いパネルを眺めている。後ろから男が声を掛けてくる。男 「お目当ての物は探せたかな?」男、買い物袋を提げている。あなた「何、買ったの?」男 「何だと思う?」あなた「もったいぶらないでよ!」男 「……」男、袋から 小さな傘 を取り出す。あなた、目を丸く する。あなた「その傘 いったい何?」男 「魔法の傘だよ。」あなた「魔法の?」男、微笑む。屋上に出るふたり。あなた、渋谷の空を見上げる。…続きを読む
「先生は、何故、モノカキになられたのですか?」教え子から問われ、「自分の人生を物語にしたかったからかな。」と、私は即答した。教え子の顔色がサッと変わり、「自分の人生…ですか。」と声のトーンが低めになった。「そうだ。自分の人生だ。」私は繰り返し答えた。教え子は、暫く考えて、こう言った。「…ということは、先生は、ご自分が憧れる人生を主人公に託すのではなく、先生ご自身の体験が主人公を生み出しているのですね?」「否、近いが、それとは少し違うかな。うーむ…。」そう言って私は、次の言葉が出なかった。(私がモノカキであり続ける理由は、一体、何であろうか?)と改めて考え…続きを読む
『あの日の涙は 彷徨っている』https://monogatary.com/story/281011…続きを読む
ある日、私は、目覚めると、いつもと違う部屋にいた。「ここは、どこ?私は誰?」あ、私は私か…。ベッドから少し起き上がり、手を伸ばせば、私が愛用しているショルダーバッグがある。寝惚け眼のまま、ショルダーバッグを自分の方へ引き寄せる。スマホの鏡アプリで、まず、自分の顔をチェックする。うん、いつもの私だ。私は変わっていないが、部屋だけが違うのか?スマホも何ら変化してはいない。念のため、ショルダーバッグの中身をチェックする。ひと通り、小分けされたポケットまでチェックしながら、大きな違和感に襲われた。な?無い?無いじゃん!もう一度、隈無くショルダーバッグの中…続きを読む
「この病気は一生治りません。生涯、付き合うことになると覚悟してください。」私は、何処か遠くから、その声を聞いているようだった。でも、遠くない。直ぐ目の前だ。目の前には、初診の医師が真剣に私を見つめている。私は、風邪症状を診てもらう為だけに、このクリニックに初めて来ただけなのに…。何故?いきなり、風邪とはあまり関係の無いと思われる検査を受けることになり、結果、一生治らないと告げられた。「私の病って…?一生治らないんですか…?」不意打ちを食らったような展開に、一瞬言葉を失いかけた私は、漸く声が出せたものの、医師の言葉を繰り返すような問い掛けしか出来なかった。…続きを読む
「ねえ、ちょっと話があるんだけど、いい?」あの人から呼び出され、私は、重い身体を引き摺りながら、点滴台を杖代わりにして、あの人の背中をぼんやり見ながらヨタヨタと歩いた。少し動くだけでも、嘔吐しそうな身体だというのに…。この体調は、女性にしか分からないのも、もどかしい。神様がいるとしたら、どうして、男性にも、妊娠や出産の能力を与えなかったのだろう?病室がある3階から、エレベーターで1階へ。やけに静かだと思ったら、外来は、今日は休診日だった。長い入院生活で、日時の感覚さえ失われていく。誰もいないフロアのソファーに、私とあの人は腰を下ろした。「あのさ…。」あの人…続きを読む
ある日、私が夫と喧嘩したあと、一人泣き崩れていたら、目の前に私がもう一人いた。もう一人の私は、こちらをじっと見て佇んでいる。この状況は、俄に信じられなかった。私は、涙で目を腫らしたまま、その人を見つめた。その人は、確かに私だけれど、今の私の姿とは違う。今の私よりも、髪も肌もずっとツヤツヤしている。「誰?」私は、目の前にいるのは、今の私自身では無いことが分かっていても、その人に尋ねた。「そんなに怯えた目で見なくてもいいじゃん!分かるでしょ?私は、過去のあなた!」その人は、話す口調まで、私にそっくりだ。それもそうか…、私なんだから。「過去の私…?あなたは、い…続きを読む
これで、何回目だろう。私が、男性と付き合いを始めようとすると、漏れなく、不機嫌な父が生まれる。ましてや、「結婚」の「け」の字が飛び出そうものなら、普段は温厚な人柄の父が、人格を変える。そして、我が家には、嵐が吹き荒れる。折しも、外は、雨。そろそろ、梅雨入りだろうか。世の父親は、大なり小なり、娘への愛情から、娘の結婚に対して、不機嫌になることが多いと思われる。しかし、我が家の場合は、娘への愛情だけではない。それにプラスアルファが加わり、一般的な父娘とは、かなり様相が異なっていた。「絶対に、その結婚を許さないぞ!早く、その男と別れろ!」「嫌だ!私は、彼と結婚…続きを読む