最近悠里は、夢をみる。現実味がある夢だったり、現実離れしている不思議な夢だったりと、繋がりのないその日限りの夢を見ていた。 ところがある日から同じ人が何度も出てくるようになった。初めは会話など接点のはなかったが、日を重ねるごとに悠里と近い関係の物語になってくる。他にも人はいるのに何故かその人だけは覚えていて、縁を感じて話してみたいと思った。「あの、最近ずっと貴方が夢に出てくるんです。私が忘れているだけで、もしかして知り合いでしょうか?」夢だからと、いきなり不躾な質問を投げかけてしまった。「えっ…」少し驚いた様子で振り返るその人。悠里の姿を見て安心したのか、柔らかい表情で…続きを読む