コロナによってヌーディストビーチで全裸マスクというシュールな光景が生まれた。コロナの猛威と共にヌーディストビーチでの警官による取り締まりはエスカレートし、ついにパンツの着用が義務づけられた。パンツをはくのであれば、それは一般的なビーチと変わりない。激怒したヌーディストたちは武力をもって立ち上がった。武器はピストル、剣、槍、など様々だったが、防具はなし。戦いの結果は火をみるより明らかだった。ちなみにこの出来事は日本初のヌーディストビーチのある伊勢市で発生したことから、伊勢海の反乱と呼ばれている。(おわり)…続きを読む
恋は盲目。俺の知る限り、あの子はアイツのすべてを愛していた。欠点ですらあの子にとっては愛すべき要素だった。アイツは大の天一好きで、こってりを食べまくってブクブクに太っていたが、あの子は「クマさんみたいでかわいい」といった。あばたもえくぼって奴だ。しかし恋はいつか覚めてしまう。アイツの浮気によって二人の関係はおわった。それ以来、あの子はアイツが好きだった天一を憎むようになった。それどころか⛔️の道路標識さえも忌み嫌った。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって奴だ。(おわり)…続きを読む
仲の悪い双子の姉妹がいた。二人は幼い頃から毎日罰ゲームを賭けたしりとりをしていた。頭の回転の早い姉はしりとりがうまく、のろまな妹をいつも負かしていた。負けた妹は罰ゲーム。青汁の一気飲みだ。「はい、罰ゲームで青汁ー」「はい、これで一年連続青汁ぅー」「はい、五年連続青汁ぅー」姉は全戦全勝だった。姉が試合に勝って勝負に負けたと気づかされるのは、あと70年先のことだ。(おわり)…続きを読む
一通りのことはやった。後悔のない人生だった。心残りがあるとすれば愛する家族のことだ。 妻は運命の人だった。大恋愛の末に結婚し、生まれた息子は今年小学校に入ったばかりだ。神に授かった天命が尽きるのは受け入れるが、自分の死が与える家族の悲しみを思うとこの身が引き裂かれそうになるーーそこでNは家族に内緒で影武者を雇うことにした。遺伝子学と整形技術が進歩した現在、金さえあれば誰でも自分の影武者を入手することができる。科学技術によって生身の人間をクローンよろしく完璧な影武者に仕立てあげる。それが影武者システムだった。 この影武者システムの登場によって別れにまつわる不幸が…続きを読む
5歳の時に慌てんぼうのサンタクロースに轢かれた。その事故が原因で車いす生活を強いられることになった。それから10年が経とうとしていたが、未だにサンタクロースから謝罪の一つもない。そればかりか、事故のことが後ろめたいのかしらないが、サンタクロースは俺の部屋にだけこなくなった。俺はサンタクロースに会って一言いってやりたくて、クリスマスの夜、幼いいとこの寝室にクローゼットに隠れてサンタクロースを待ちかまえた。しばらくすると、いとこのプレゼントをもったサンタクロースが現れた。「おい! サンタクロース!」俺はサンタクロースの前に躍り出て叫んだ。「俺をまさか忘れたわけではな…続きを読む
発作的だった。営業帰りの駅のホーム。気がつくと俺は上司の小野を線路へと突き飛ばしていた。きっかけは奴の吐いたつまらない小言だ。何をそれくらいで。と思うかもしれない。しかし、積もりに積もったものがある。毎日がパワハラ三昧。部下の俺をパシリ扱い。我慢の限界だった。俺がホーム上で立ち尽くしていると、線路内から女神が現れた。「あなたが落としたのは社長の小野ですか? 部長の小野ですか?」呆気に取られながらも俺は答えた。「…係長の小野ですけど」「正直者には社長の小野をくれてあげましょう」小野が出世して戻ってきやがった。(おわり)…続きを読む
※シナリオ形式となります※全10回くらい○ 暗闇アナウンス「まもなく一番線に列車が通過致します。危ないので線路から離れてください…」 まぶたが開かれ、暗闇に光が射し込む。○ 地下鉄のホーム 飯田(16)、目を覚ます。 飯田、Tシャツ姿で、シャツには「特上寿司」と書かれている。 飯田、あたりを見渡す。飯田「…?」 電車、猛スピードでホームを通過する。 飯田「(驚く)」 隣に愛甲(16)が倒れている。 飯田、愛甲の体を揺する。飯田「愛甲」 愛甲、目を覚ます。 愛甲のTシャツには「特上カルビ」の文字。飯田「大丈夫か?」愛甲「(見渡して)…なん…続きを読む
ぶーーーーーーーーーーん!俺はバイクを全速力でかっとばす。すり抜けもお手の物。バリバリバリ!なんせ無敵仕様のバイク。車のサイドミラーを割りまくりながら、俺は車と車の間をすり抜けてゆく。ぶーーーーーーーん!バイクによくある右折事故も怖くない。俺は全速力で交差点をかっとばす。 どかーーーーん!右折してきた対向車と衝突した。でも俺のバイクは無敵仕様。車のドアと運転席を突き破ってやった。もちろん俺は無傷。ぶーーーーーーーーーーん!ぶーーーーーーーーーーーーーん!俺はバイクをかっとばす。白バイがサイレンを鳴らしてやってきた。「そこのバイク…続きを読む
水辺に生える葦。その葉っぱからぽたりと朝露が一滴落ちる。と、地面から女神が現れた。「あなたが落としたのは金の露ですか? 銀の露ですか?」葦は驚きながらも、「ただの露です」と答えると、女神はいった。「正直者には金の露をくれてやろう」朝露が黄金色になって葦の葉に戻ってきた。少しして、金の朝露がぽたりと落ちる。と、地面から女神が現れた。「あなたが落としたのは金の露ですか? 銀の露ですか?」「…金の露です」「正直者には金の露をくれてやろう」と女神はいい、またしても黄金色の朝露が葦の葉に戻ってきた。少しして、また金の朝露がぽたりと落ちる。と…続きを読む
優芽、愛菜、さやかの三人みんなで人気のクリームソーダを買うことにした買ったあと、インスタに載せる写真を撮ろうとすると、愛菜だけバニラがのっていない、つまり、単なるメロンソーダを手にしていた「あれ? 愛菜のって」さやかに聞かれた愛菜は申し訳なさそうにいった「わたし、アレルギーで、バニラだめだから」それを聞いたさやかは、「そっか。じゃ、クリームソーダはやめて、みんなでメロンソーダにしよっか」「悪いよ。せっかく買ったんだし」「でも…」「いいから。私はメロンソーダで大丈夫」「でもやっぱり…」「愛菜がいいっていってんだからいいじゃん。それよか早くしない…続きを読む