彼は、ハーフだった。イギリス人と、日本人のハーフ。だから、目は綺麗な空色をしていた。好きな言葉は、「はじまりがあるから終わりもある」。幼少期はイギリスで過ごしたようで、少し日本語が苦手だった。でも、誰よりもまっすぐで、誰よりも一生懸命で、誰よりも優しかった。だから、私は好きになった。ハンカチを拾ってもらったり、教科書を貸してもらったり。運動は苦手なようなので、私が教えてあげたりした。彼の好きなもの。苦手なもの。知るたびに、彼を好きになった。でも、彼は、交通事故で死んだ。その時私は、彼を公園に呼び出していた。告白をするために。彼が横断歩道の向こうに見え…続きを読む
………ゴホン。えー、おいこら幼馴染!美桜!ででこい!wはい、嘘ですすいませんだからそんな睨まないで怖いからwwまずは美桜、私と友達になってくれてありがとう。いつからだっけ?気づいたら友達になってたんだよね。もうどっちから話しかけたのかも覚えてなくて。それぐらい昔からの付き合い。出会って今年で9年かな?同じ小学校ってきいてさ。すごく嬉しかった。勉強とか、いつも教えてくれてありがとう。優しい君のことが、すごくすごく好きです。私が男の子だったら、絶対美桜のこと好きになってたねwwwいつも笑顔にさせてくれてありがとう。本当に、本当に、ありがとう。大好きだよ。これか…続きを読む
「…………本命?」思わず私はそう聞いた。冗談抜きで。「友だわバカ」そう返したのは、親友の霧下亜未華(きりしたあみか)。「だよな」「言っておくが親友。僕一応好きな人いるからね??」亜未華は自分のことを“僕”と言う。女子の中では珍しいが、私は別にいいと思っている。一人称なんて人それぞれだし。「んじゃあ私も。はい」「お、マジ!?やったぁ!」そう言って、子供のように喜ぶ。もう中学生なのだからちゃんとしてほしい。「いただきまー………」「待て待て待て待て」すぐさま食べようとする亜未華を慌てて止める。「何?」「亜未華、もしかしてここで食べるつもり?」「逆にそれ以外に何があるの?」「街中…続きを読む
どれだけ嫌われてもどれだけこの世界が怖くてもどれだけ愛されなくてもどれだけバカにされてもどれだけ自分の容姿が気に入らなくてもどれだけ気持ち悪がられてもどれだけ酷い目にあってもどれだけ認められなくてもどれだけ願いが叶わなくてもどれだけ笑われてもどれだけ恥ずかしい思いをさせられてもどれだけ傷つけられてもどれだけいじめられてもどれだけ酷い言葉を投げつけられてもどれだけこの世界が怖くてもどれだけ救われなくてもどれだけ不幸でも私は絶対に負けない私……違うか。“僕”は、この理不尽な世界で生きてやる。ぜってぇ人生という名の勝負に…続きを読む
彼女に送った、最後のメッセージ。私は、そのメッセージに“既読”の文字が出るのをずっと待ち続けている。彼女はもうこの世界にはいないのに。バカだなあ、私。…続きを読む
「どんなのがいいかなぁ???うーん………」…………私は一体、何を見せられているんだ…………ついて来れない皆さんにご説明しましょう。私はたった今、この世に生を受けた人でございます。名前はないです。生まれたばかりだし。で、目の前にすっごい地味〜な格好してるのにめっちゃテンション高い女の子がいるんですね。で、色々あってこの子に何かを考えてもらっているわけです。「ねぇ、君はどんな名前がいいとかないの??」「いや、好きなものとか特にないですし………なんでもいいです」「えぇ〜………何でもいいが一番困るのに………」………なんか、すごい申し訳ない。「ピンクの髪してるから桜?いや、それだと何…続きを読む