もしかしたら私がキスして欲しそうな顔をしてたのかもしれない。✴︎高校を卒業して、美容師になるために専門学校へ行くことになった。高校生活を過ごしたこの街とはしばらくお別れ。また、きっと戻ってくるから。そう言って街を出た。慣れるまではなかなか大変だった。自分の時間も作れなくてけど、いつも思い出すのはあの少年の事。ちゃんと学校行ってるかな。頑張ってるかな って。私も頑張らなくっちゃ✴︎私はあの公園へと足をはしらせる早く、早く伝えたい月明かりがキレイな夜「優!!」「…あかりさん?」やっぱりやっぱり、いつものベンチに少年は…続きを読む
こんな朝を迎えられることを太陽に手が届くことをあの頃の僕はまだ 知らない今日もひとり。公園の小さなベンチに腰を下ろす。星空が綺麗な夜はすごく穏やかな気持ちになれる。ずっとこうして夜空を見ていたいな。ねぇ、母さん。母さんから僕が見えてるかな。僕が小さい頃、ばあちゃんちの裏のこの公園へよく連れてきてくれた。ジャングルジムにかけあがり、お日様に手が届きそうだって言って空に手を伸ばしてたっけ。大きくなったら届くかなぁなんて言ってさ。母さんは、優しく「そうね、きっと届くよ」ってベンチで笑ってくれた。たくさん絵本も読んでくれたしたくさん歌も…続きを読む