もうすぐ私達は付き合い始めて5年の月日が経とうとしていた。初めての冬はあのキャンパスの広場で私の手をよく握りしめてくれていたよね。私の手が冷たいと、あなたは上着の中に私の手を入れてくれた。やがて春が来て、桜の下で爽やかなキスをしたね。風でせっかくセットした髪の毛が崩れても、そっと優しく頭をなでてくれた。夏が来たら、夜にデートする事が多くなって。花火大会の日には大きな花火の下でぎゅっと抱きしめてくれた。「くっ、苦しいよ。」あなたが強く抱きしめるから身動きがとれなくて、あなたの胸に耳を傾けたら心臓の鼓動が早かったのを覚えている。……3年目、あの木の下で。鮮やかに色づいた紅葉の…続きを読む
夏休み、俺は田舎に帰ってばあちゃんを車に乗せて買い物に行った日の出来事。車内は暑かった。俺は、ばあちゃんに「暑いから窓開けて!」と言った。そしたらさ、いきなりさ、窓ではなくドア開けちゃってさ、ばあちゃん落っこちる所だったんだよ。焦った~!!…続きを読む
溢れ返る人混みにあなたは私の手を握りしめた。「迷子になるな」と先導したね。すくった金魚を大事に持ってあなたの背中を追いかけ小走りに。花火の光が点灯し始め「こんなにきれいだっけ?」と呟く。あなたと見るときは周りの花が見えないほど夢中になる。だから私にとっては豪華な花火=華火急に立ち止まって見るから華火の音で心臓の音をごまかした。クライマックスで興奮し最後のフラッシュが鳴り終わったら明日への不安が押し寄せてきた。スマホを持ち歩く人々が散り月の明かりだけが頼り…それは私にとって変らない安心の華火お願いだからずっと照らしていて欲しい…「ただいま。」家…続きを読む
小さな頃から母親がお出かけの時に付けていた大きなイヤリングがあった。それと共に漂うグリーン系の香水の香り。キラキラした宝石に包まれて、私も大きくなったら身につけたい…そんな願望がいつしか生まれていた。「お母さん、バラの香りとか付けないの?」「爽やかな香りが好きなのよ。」そんな小さな頃の日常の幸せが一番大きかったように思う。――――――私が社会人になって、休日に行った宝石店。「いらっしゃいませ。」気品漂う店内に入った瞬間、私はまるでシンデレラになったような別世界かと思うような感覚になった。周りはカップルがまるで磁石のようにぴったりとくっついてショーケー…続きを読む
さよならが言えない愛する程に好きだから。でも、好きだって言うことも出来ないだって君には…だって私には…太陽が沈み、月が明るく照らす頃私は草原を歩いていた。君は私に新しい彼女を紹介したよね。その時、どんな気持ちだったか分かる?私もその時には彼がいて、君に紹介した。でもね、君と出逢う順番がもう少し先だったら私は間違いなく君を好きになると思う。だって、彼より君といるほうが居心地がいいから…上を見上げて、心の中で月にだけ話をした。今の私の本当の気持ちを…。「逢いたいよ…」それは彼より君に伝えたい言葉。でも、私には言う権利はない。私には彼がいるじゃない…。…続きを読む
――エレベーター内――僕は35階までのエレベーターのボタンを押そうと手を近づけた。僕:「何階ですか?」客:「月まで…」僕:「はい?」客:「だから、月までお願いします!」僕:「…………ピッ……」僕は自分の降りる階のボタンを押した。「ウィーーン」最上階のボタンを押したのに、このお客は降りようとしない…。僕も降りずに様子をみようとエレベーターの中に立ったまま。そして、扉が閉まる……。「ウィーーン」しばらくすると、自動的に上昇し始めた。耳鳴りがするくらい急上昇している。「ポーーン」どうやら着いたようだ。「ウィーーン」……な、なんだこの光は‼…続きを読む
鳴るはずの着信音が昨日も今日もサイレント距離が空いて心が泣いてそれでも胸で光る 願い見えないから合図するそれは2人の合図だから…無性に会いたくて無駄にすれ違って無理にすねてみたり胸が苦しいそれでも手のひらで光る 誓いもう どんなことがあっても2人の合図は変わらないいつも私の中にあるいつも貴方の中にある結局それが2人の合図目で見て心で感じて貴方を想うのにどうしょうもなく泣いたでも合図はいつでも言えるから見えるから…感じるから…合図があるから私達は生きているだからこれからもずっと一緒だよ「ほら、合図だしてよ…」…続きを読む
月曜日 げっ、今日から仕事じゃねぇか…(泣) 朝から気合い入れて起床。火曜日 スーパー特売日。 そんなの関係ねぇ〜と書き始める。水曜日 炊飯器の蒸気が脇から出てる! こりゃ買い替えか…(泣)木曜日 今日は何しようかな? 黙々と何かを考える…。金曜日 今日が終われば休みだぁ~‼ 禁酒じゃないよ飲酒だよ‼土曜日 「あのさ、土曜日って何曜日?」 出た‼この天然ぶり💦 どうしようもないね…(泣)日曜日 「あー、明日からまた始まる〜!」 毎日いろんな出来事があってこそ、 モノカキでいられる私です…。――あ〜!明日の靴下ない〜‼💦――※…続きを読む
何もかもが輝いて消えては灯されるアロマのよう……いつか思い出す時がくるだろうそんな今も時は流れ代官山のあの階段ガラスに映る自分を追い越しいつか行ってみたかったでも その勇気がなかっただけいいことばかりではなかった苦しいことも悲しいこともあなたには伝わっていたこの生命の永遠も……「私を忘れないで……」あなたにはわかるのねこの乾ききった喉を潤すためにブリザーブドフラワー小瓶に閉じ込めて……カラフルな台座に乗せてまるで 360度回転する木馬ドライフラワーになってもずっと色褪せないこの姿も想いも変わらない閉じ込めて 永遠にブリザーブドフラワー…続きを読む