「あれ、何の曲だったかな…」窓を開けると、隣のお家からかわいいピアノの音色が聞こえた。最近、うちのマンションのお隣にやってきたぱっちりお目めの女の子。まだ3~4歳位だろうか。初めて会った時、私のスカートの裾を引っ張って『ニコ』って笑ってくれた。あっ、天使っているんだ。そう思えるほど、『きゅん』っとしたのをはっきりと覚えてる。彼女が弾いていたあのフレーズ…私は思わず立ち上がり、久しぶりにキーボードの電源を入れた。「ん~、ふ~、ふ~🎶」メロディを思い出すように、彼女の音に私の音を重ねた。和音が心地いい。心がスキップする。なんだか昔…続きを読む
「しーっ」って、そりゃあ無理だって私は『起・爆・剤』触れたら「ドカン💥」と爆発しちゃうぞまだ 誰もやったことのないことまだ 誰も踏み入れてないことだけど、誰かがやらなくちゃいけないんだほんと、そこんとこわかってよどうする?どうする?ねぇ、ほんとに私じゃなきゃダメなの?誰でもよかったんじゃない?ほらぁ、隣の人みたいに見て見ぬフリしなよねっ、でも…ちがうちがう私じゃなきゃダメなんだ思ってるだけじゃ駄目なんだだったらやってやろうじゃん❗「ドカン💥」、と一発お見舞いしてやるぜ‼️だって私は『起爆…続きを読む
彼岸花の朱が、あかくあかく私を染め上げる。夕焼けが街を真っ赤っかに塗り上げる。真っ赤っかの太陽が、私を包み込む。まるで、大きな愛に抱かれているような偉大で荘厳な面持ち。私、何を悩んでいたんだっけ?わかっているのに問いかけてみる。この街に来て、一年が経った。日々の忙しさの中で、【美しい】と思える感情がどこかにいってしまった。『茜色の空』なんてきれいなんだろう。真っ赤っかに色づく街、なんて美しいんだろう。あー、帰ったら、ちゃんと言えなかった「ごめんね」を言おう。「ごめんね」それから、時々ありがとう。あー、…続きを読む
さぁ、第二章が始まった。『おはよう』気持ちのいい朝だ。あなたから引き継がれた陽の光を私は存分に満喫している。木曜日。TVをつけると、私の大好きなKくんが、Nアナと今日も素敵な言葉のじゃれあいをしていた。朝のバタついた中で、私は思わず「クス」っと笑い、なんだか一瞬幸せな気持ちに包まれた。これから始まる闘いのことなんか、知るよしもなく…「うぅ」「いてててて」頭が真っ二つに割れそうなほどのひどい頭痛。頭痛なのか、これは。違う。これは、相手からの警告。メッセージだ。人には何らかの特殊能力がある。私の場合は、人の本心がわかってしまうこと、植物や動物と会話…続きを読む
それは突然のことだった。あなたが私の日常から忽然と消えてしまってから、もうすぐ一年目の春を迎える。早いものだ。時は待ってはくれない。今夜のお月様は、なんて綺麗なんだろう。まるで、まぁるい白い蓮の花が咲いているみたいだ。きれいだ。気づいたら、自然と手を合わせていた。何分経ったんだろう。あれ、「涙…」「なんで…」悲しいのか、なんなのかもわからない。真っ直ぐな涙が、私の頬を伝っていた。あなたと出会ったのは、今から10年前のこと。あなたは一度、どこかのお家にもらわれていったのに、私がそこに二回目に訪れた時、また戻ってきて、そこに居たね。そして、なんだかとても淋しそうだっ…続きを読む