冬休みは巫女バイト先生!わたしのデレを分かって下さい‼‼***クールな図書室司書の本牧(ほんもく)さんとシィちゃんのお話*続編【登場人物紹介】シィちゃん → モノガタリー女子学園アカデミア/高等部二年。本牧先生が好きかりん(花梨)ちゃん→ シィちゃんのクラスメイト。模範的なJKギャル。 クルミ(胡桃)ちゃん → シィちゃんのクラスメイト。本編初登場。本牧じょーじ先生 → アカデミア/高等部のクールな図書室司書。元物理教諭。【あらすじ】シィと花梨の学園生活☆彡*****二学期の修了式も間近に控えた、アカデミア放課後のカフェテリアは今日も、学園の女子…続きを読む
旧市街の青果市場は、ドゥオモへ向かう鉄道馬車が行き交いやすい様にと、石畳で舗装された大通りのやや外れにあって、同じくして社会の隅っこで生活する人々の労働の場所でもあり、彼らの生活の全てでした。 野菜に果実。彩られた屋台が並ぶマーケットの端に佇む、花売りワゴンの前に鳥打帽子を被った一人の青年が立ち止まりました。彼は着古したコーデュロイ・ズボンのポケットから銀貨を数枚手にして、聞き取れない声で木靴を履いた売り子に言います。「そいつを一輪」 花売り娘はマノ。薄紫のキャスケット帽の彼とは従兄妹の間柄でした。「ファロ、あなたは毎日、一輪ずつお花を買うけど、どちらの彼女に渡すのかしら。私は…続きを読む
グリ(Guri)のジャンスカに同色のボレロ。サテン地のタイリボンの留めは、早咲きのチューリップのピンを刺して。 昇降口での生徒たちの足早な上履きのステップに"ご機嫌よう”の挨拶から【モノガタリー女子学園アカデミア】の朝は始まる---:フラワー・アレンジメントに:フレンチ・マナー:日舞とボイトレ、次いで:モラルのある公共交通機関の乗り方。必須科目に加え、未来のお嬢さま養成の為の修練は一日してならず。ーーー 高等部二年の教室の窓越しに差す、初冬の昼下がりの陽射しが、暖かく眠気指数を振り切ってます。「シィったら、毎日同じ時間に居眠り!」クラスメイトの福生花梨(かりん)が真後ろの…続きを読む
まっさか… 長閑な寒村で、この様な凄惨な事件が起きようとは誰も知る由も無かった。 お江戸・日本橋から京都・三条大橋まで繋がる五街道の一つ東海道の三番目の宿場町。神奈川宿の北外れに位置する生姜(しょうが)村。この漁村にある街道沿いの、旅人に休息を提供する水茶屋などが点在している中でも蕎麦処「武藏屋」の繁盛振りは、目を見張るものでした。日夜、薩摩藩の見廻り藩士たちが茅葺きの軒先きに長い行列をつくるので、それを地蟻に見立て蟻茶屋と異名が付くほどでございます。見廻り藩士とは参勤先の自宅警備員のようなもの。 こちらの武蔵屋の自慢メニューは職人打ちたての「二八青物蕎麦」。この時代、野菜…続きを読む
4月の穏やかな第三土曜日。monogatary- catsさんの手元に1枚の差出人不明の郵便が届いた。彼が見たところ、この葉書の中身は全くの白紙。「誰からだよーこれ?筆圧無さすぎー」不審に思いながら、裏返してみると表面(おもてめん)には、茂木の住所。さらによーく見ると宛名の下に小さく'ネコ文字'の追って書きが手書きで一行添えられている。'親愛なるcatsさま このハガキは、オレンジの果汁で書かれたあぶり出しです🐾’―ーもしかのもしか。これは僕の小説のファンかも!この書体からしてJCとかだったら、ヤバイじゃん。早速、葉書の裏面を炙ろうと、ポケットに手を入れてライターを…続きを読む