「夢の話なんだけどさ。」なんだ、夢の話か。このところ浮かない顔ばかりしていた君があまりにも嬉しそうだったから"もしかして"と思ったのだけど、違ったようだ。それでも、君の晴れやかな表情を見るのは悪い気分ではない。こちらまで嬉しくなってしまうのだ。「良い夢だったの?」僕は続ける。すると君は、待ってましたと言わんばかりの笑顔で言った。「お母さんがね、見つかったの。」これには驚いてしまった。言葉がすぐに出てこない。良い意味なのか悪い意味なのか、一瞬で判断ができなかったからだ。「え、見つかったって、全部?」僕は思わず頓珍漢な受け答えをしてしまい、君を困らせてしまっ…続きを読む