「どこだ…まーちゃん!!!!まーちゃん…!まー…」マグロのまーちゃんが死んだ。元から何もいなかったかのように綺麗になった大きな空の水槽と無残にも切り身となって皿に横たわる君の姿を見て言葉がつまる。「嘘だろ…」まーちゃんであった切り身が乗る皿には『今までありがとう』と書かれた伝票の裏へ走り書きした文字が見える。…悪ふざけにもほどがある。震える手で水で塗れているふざけたその紙をとった。「伝票…この市場に、犯人が…」まだこの市場に犯人がいる。「まーちゃん」まーちゃんだったそれをみてぽつりと呟いた誰もこれがまーちゃんだとは思わないだろう。そう犯人と俺以外は…続きを読む